1209 山の学校ゼミ(調査研究)

浅野です。

 

このクラスを意識して村上春樹『ねじまき鳥クロニクル』を読んでいたら、今回の発表にぴったりの箇所を発見して非常に驚きました。

 

それというのは第三部の笠原メイからの手紙の一部で、首尾一貫性についての箇所です。彼女の両親は首尾一貫した世界を生きているが、彼女自身はどうしてもそうした首尾一貫性が自明だとは思えないという内容です。

 

これはこの小説全体を貫くテーマであるとも言えます。解離的な傾向のある重要な登場人物が何人も登場しますから。それでも一つの人格(世界)に統合しようとするところが、近代的な私小説と現代的なライトノベルとの中間だという議論をこのクラスではしていました。

 

発表原稿を作るために引用すべき箇所をこれからしばらく探します。