先週は近代から現代への移行を個人というミクロな観点から描写しましたが、今週は集団形成というマクロな視点から考えました。
富国強兵や高度経済成長という大きな物語が機能していた時代はそれによって一つの大きな集団を形成することができました。しかし現代ではそうした大きな物語が機能しなくなってきています。そこで東浩紀さんは物語は必要でなく工学的に人間を動物として管理すればよいといった主張をしていますし、宮台真司さんはそれでもあえて物語を求めるのだと主張しています。そしてこのクラスではそのどちらでもない道を提示しようと試みています。それは複数の物語が成り立つことを前提としつつ、それをそのまま受け止めて、その場その場で集団を作って社会を成り立たせるという道です。これは負担が大きいやり方かもしれません。
ライトノベルについて見ることでこうしたことを考えることができるというのがこのクラスでの言いたいことです。