山下です。
過去の巻頭文を読み返しました。
「英語で「子ども」をインファント(infant)と言いますが、原義に照らすと「言葉を話せない者」という意味になります。赤ちゃんもそうですが、言葉を自由に操れない小さな子どもたちは、大人に何かを訴えるとき、言葉より行動や態度で──泣いたりすねたり怒ったりして──様々なメッセージを送ります。発する言葉も字句通りに受け取れないケースが多々あります(「きらい」は「すき」の意味であったり)。周囲の大人が、そうした「声なき声」も含めた子どもの「心の声」に日頃から注意深く耳を傾け、彼らの「心そのもの」を理解しようと努めるかぎり、子どもたちは安心して自分の思いや考えを「言葉」に託して他者に伝えるようになります。」