2022-02-28 大人の言葉、子どもの心――思い出を力に変えて

山下です。

過去の巻頭文を読み返しました。

「山の学校では『論語』の素読を担当しています。子どもたちと接していると、当時の何が今の自分の心に残っているのかと考えます。そうすることで、子どもたちに接する自分の心や言葉が整えられる気持ちになるからです。

小学二年生の時、鴨川にクラスで遠足に出掛けたことがありました。皆好きな場所で遊ぶのですが、私は岸辺でぼんやりと対岸を眺めておりました。すると担任の先生がそばに来られ、「この川の幅は何メートルあると思う?」と問われました。キョトンとしていると、地面に三角形の絵を描いて、これこれしかじかで何メートルくらいかはわかる、と言われました。もちろんその説明の意味はわかりませんでしたが、今自分は何かとても大切なことを教わっているのだ、というあらたまった気持ちになりました。そのときの先生の力強い指の動きは今も蘇ります。」

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