福西です。
『星モグラ サンジの伝説』(岡田淳、理論社)を読んでいます。
1「巣ばなれは自分から」と、2「ほることはおもしろい」を読みました。
1章のサンジとかあちゃんのかけあいが面白いです。
「かあちゃん。ぼく、はやい? ぼく、はやい?」
「はやいよ、サンジ。おまえははやい」
(…)
「かあちゃん。ぼく、かしこい? ぼく、かしこい?」
「かしこいよ。サンジ。おまえはかしこい」
ほることが面白くなったモグラのサンジは、巣から飛び出し、そのまま一人で成長します。
かたいものをほるために、かたいものを食べる。さらに、ますますほるスピードを上げます。
強くなりたい一心で、土や砂、石まで食べた。
岩をほるために、岩を食べる。そうしてもっと固い(強い)岩をこじ開ける。
もう、むちゃくちゃな練習プランです。
ついに土中でサンジの行く手を阻むものはなくなりました。サンジは自由自在にほり進みます。その猛烈な勢いゆえに、サンジが通過したあとは、まるで地震が起こったかのようです。
そして、それを快く思わないモグラたちが出てくるのでした。
次回は、「モグラ社会」の長老たちが会議を開きます。
次の俳句を紹介しました。
秋来ぬとサファイア色の小鯵買ふ 杉田久女
「秋来る」が初秋の季語です。(鯵は夏の季語ですが、ここでは秋鯵のことです)