山下です。
ラテン語の話を続けます。
初学者には初学者なりのツールが必要です。
そこで私は考えました。原文に出てくるすべての単語の文法的解説と語彙の説明をほどこした教材があればどうだろう、と。単語集も逐語訳も完備したような本。そうしてできたのが「キケロー、スキーピオーの夢」(ベレ出版)というわけで、ラテン語の「調べ方」を知る人は有効活用できるはずです。
ラテン語学習に暗記は不可欠と思われてきたし、そのことを否定はしません。しかしそれで挫折する人が後を絶たないので、私は「調べてわかる」ことも実力だと信じてほしいと思います。その力があれば、この本を使ってラテン語を読む感覚を味わうことができるでしょう。
文法学習は何をどこまで学べばよいか、目標地点がおぼろげです。私の提案は、この本(スキーピオーの夢)の解説がわかる程度に文法を学べばどうか、というものです。文法書をすみずみまで完全理解しなくても、この本の理解はじゅうぶん可能である、という事実を体感してほしいと思います。
ただし、文法の最初のほうをちょっとかじった程度だとはねかえされますので、相応の努力は必要です。
この本については、次のリンク先で紹介されています。私の意図を十二分に汲んで紹介してくださっています。