前回に「小説」というテーマを設定したので、今回はそのテーマについての基本事項を頭に入れました。いくつか百科事典を見ていたら、『日本大百科全書:ニッポニカ』に詳しい記述があったので、それをいっしょに読み解きました。この記事を書いているときに知ったのですが、何とこの『日本大百科全書:ニッポニカ』はインターネット上で無料で参照できます。
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その執筆者によると、「神話」、「詩」、「散文(哲学、歴史学、地誌学)」のどれでもないものとしてプラトンが書いた対話篇が小説の原型だそうです。
そして十字軍の頃に騎士道物語などのロマンスが流行し、活版印刷の発明によりそれが大衆化され、その後「ノベル(新しいもの)」というロマンスとは別のジャンルが生まれるに至りました。その「ノベル」を「小説」と翻訳したのが坪内逍遥だと言われています。ちなみに、「小説」とはもともと中国では、民間の小事件、流行、風俗、噂話などを意味する語でした。
日本では神話や説話、物語、戯作が「小説」という翻訳語の登場以前に存在していました。「小説」は輸入された近代小説です。しかし日本のような後発国では近代小説の持つ意味合いがねじれてしまいました。
この執筆者の主張では、既存の作品や枠組みをパロディを用いたりしながら超えることが小説の特徴ということになります。
難しい議論になってきました。もうしばらく基礎知識の収集に励み、方針を考えたいです。
>小説
日頃何気なく使っている言葉も、立ち止まってその意味する内容を考えだすと、どんどんわからないことが出てきます。私もろくな定義ができないことをこの機会に思い知りました。さまざまな横文字を日本語に翻訳することを余儀なくされた明治時代とは、いまさらながら大変な時代だったのだと思います。そして、その「大変さ」は本当は今も見解決のまま続いているのではないかと感じております。