山下です。
「憤せずんば啓せず。悱せずんば発せず。」
教師の本音を代弁している言葉です。
生徒が問題を前にして悩み、悶々としている状態なくして、指導はできないということです。
教師が「憤しない」(問題意識の乏しい)生徒を前に熱弁をふるっても、有難迷惑とみなされる可能性があり、その場合、互いに不幸です。
逆に生徒の側に立つと、悩み、悶々としている状態はネガティブなものではない、ということをこの言葉からくみ取ることもできます。
「憤する」生徒は、先生や参考書の一言によって、パッと目が開く可能性があり、いわゆる一を聞いて十を知るタイプの経験ができるでしょう。
「一隅を挙げてこれに示し、三隅を以て反えらざれば、即ち復たせざるなり。」と続くのは、そういうやりとりの大切さを述べています。