山びこ通信2018年度号(2019年2月発行)より下記の記事を転載致します。
『かず』3〜4年A・5〜6年
担当 福西 亮馬
3~4年生クラスでは、概数、分数、小数、図形、棒グラフを復習しました。また、文章題に使う線図を練習しました。学校の内容に一見心配がない時も、復習することを面倒くさがらない姿勢を応援したいと思います。
5~6年生クラスでは、学校で最近習ったところに自信を持つことと、6年間の要点チェックをしています。積み残しなく中学に上ってもらうことが目的です。最近では、割合、度数分布、文字式、比例、速度をおさらいしました。「xがいくらならyはいくらか」とその逆を考える時、割り算になるか、かけ算になるかを吟味する癖をぜひつけてください。また、1より小さな数で割ると答が大きくなるという感覚は、この先ずっと活躍します。
以上の学校の補いのほかには、パズルをしています。
小学校の算数は、反射的にでも手を動した分だけ上達します。反対に頭の中でむやみに走らされた(誤答を連発する)時間だけ嫌いになりやすいです。人前で自分を心細くさせる算数は、不案内な街並みに似ています。迷ったら自分のやり方(思い込み)に拘泥せずに地図を見る、つまり解き方から学ぶ方が、次のステップに進みやすいです。
パズルはどうでしょうか。最初から迷う前提で挑戦するので、頭の中で走り回るほど達成感が増します。反対に手を動かすほどうんざりしてしまいます。手続きが機械的ならパズルにする意味などなく、隠れた必然性を見つけるから醍醐味があるのです。
中学高校へと進むと、算数が数学になります。数学では、証明問題のような純粋思考的なもの、また抽象的な概念の比重が大きくなります。最初からそれを新しいパズルが始まると思って迎えられる人にはいいのですが、苦手な人には「いったいこれが何になるの」という不満が生じます。
算数の学び方の延長で数学に対してうまくいかないのは、短距離走のペースで長距離走をしてバテるのと似ています。黒板の解き方をノートにそっくり書き写した程度では、理解できることはまずありません。自分で一からパズルのように解き直さないといけません。そうなのです。中学高校では、先生の説明がもうすでにパズルなのです。「数学は、個別具体的から離れて抽象的になればなるほど応用範囲が広くなる」と言われて、そのメリットに感動できる(パズルが解けたように思える)まで、脳をアンロック状態にしておかないと、結局はついていくのが難しくなります。
そうはならないように、クラスでは、頭の中で楽しんで走ることと、地道に手を動かすことと、両方が大事だと考えています。脳がロックしてしまって「勉強の意味」を問い始める前に、「まずはやってみよう」と思えるような、意識の種まきを心がけています。