ほね(M君の本)

福西です。「ことば2~3年A」クラスのM君(2年生)が、いつも肌身離さずに持ち歩いている本があります。

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『骨のクイズ図鑑』(今泉忠明/監修、学研)

今日はそれと一緒に持ってきている本が、もう一冊ありました。固い表紙をした日記帳でした。それには、『ほね』と題字されていました。中身は、まるで航海日誌か冒険家の手記のように見えました。

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以下、記念のために中身をタイプしておきます。

『ほね』

1ページ目 あたま(1)

あたまのほねは23こあり、あごの下にあるほねを「ぜっこつ」と言います。ぜっこつは、「したのほね」と言ういみです。

あたまのうしろのほねを「こうとうこつ」と言います。「うしろにあるあたまのほね」と言ういみです。

まえの左右にあるほねを「とうちょうこつ」と言います。こうとうこつととうちょうこつ、どちらもまわりがぎざぎざになっています。でもすこしだけぎざぎざになっていないところもあります。こうとうこつだったらあたまのしたのほうはぎざぎざがありません。とうちょうこつはさんかくにちかいかたちです。さんかくはまわりにみっつのせんがきます。そのうちの2つのせんのところがぎざぎざです。

こうとうこつととうちょうこつは「そくとうこつ」というほねとつながっています。こうとうこつととうちょうこつ、どちらもそくとうこつ

2ページ目 あたま(1) むね(1) うで(1)

とのつながりめはちょっとだけぎざぎざはあるけれどほとんどまっすぐです。むねには「きょうこつ」というほねがあります。そのきょうこつには3つつながっているほねがあります。

1つめは「さこつ」です。さこつは「けんこうこつ」というほねときょうこつをつないでいます。さこつはいちばんこっせつしやすいほねとも言われています。つよく、てをつないだだけでおれるといわれています。

2つめは「ろっこつ」でほんとうはなんこつです。

3つめはつながってはいるけどきょうこつのしたのほうに「けんじょうとっき」というほねのばしょがあります。

さこつと「じょうわんこつ」につながっている、けんこうこつがあります。けんこうこつはいろいろなきんにくにつながっています。じょうわんこつとけんこうこつのつながりめを「きゅうかんせつ」と言います。じょうわんこつがしゃっこつとつながっているところはしたのえのようになっていてけんこうこ

3ページ目 うで(1) て(1)

つと、つながっているところのじょうわんさこつのほうはまるくなっています。けんこうこつのほうはくぼみがあり、そこにじょうわんこつのまるいぶぶんがはまります。てのほねは27こあります。

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上のずのように「しこつ」の「し」は「ゆび」といういみで「ゆびのほね」といういみで「ゆびのほね」とい

4ページ目 て(1) あたま(2) むね(2)

うことです。そして、「ちゅうしゅこつ」、「ちゅう」は「なか」、「しゅ」は「て」。だから「なかのところのてのほね」といういみで、「ちゅうしゅこつ」です。

さいごの「しゅこんこつ」、「しゅ」は「て」、「こん」は「ねもと」といういみで、「てのねもとのほうのほね」ということになります。

ずかんなどであたまのほねをみてみてください。あごの左右に小さなあながありますね。それはけっかんやしんけいがとおるところです。はなのよこのところもおなじです。

しんぞうとはいをおおっているほねをしっていますか。それは「ろっこつ」です。ろっこつはおれたらしんぞうにささってしまうかもしれません。ろっこつはせぼねときょうこつにつながっています。

5ページ目 くび(1) せぼね(1)

くびのほねは7本あります。いきもの、ぜんぶくびのほねは7本です。けれども、さるのしゅるいで1しゅるい、くびのほねが9本のさるがいます。

せぼねのほねは26こから28こぐらいで、ひとによってほねのかずがちがいます。せぼねは、「なんこつ」というほねがあつまっています。

そのなんこつのあいだについかんばんがあります。そのついかんばんはとてもやわらかく、あるていどひねることができます。でも、まんなかにけっかんがあり、ひねりすぎるとけっかんがきれてしまいます。ついかんばんがかたまってしまうびょうきもあります。名まえは「きょうちょくせいせきついえん」という名まえです。

6ページ目 みみ(1) こし(1) あし(1)

みみのほねは3こあります。名まえは、つちこつ、きぬたこつ、あぶみこつです。3つあわせていうと「じしょうこつ」です。「じ」は「みみ」、「しょう」は「ちいさい」だから「みみのちいさいほね」といういみです。

こつばんのおおきさは女子と男子、ちがうのをしっていますか。じつは女子のほうがひろいのです。それはあかちゃんをそこにいれておくからです。

びこつは1から3こぐらいまで、せんこつは1こ、ようついは5こ、きょうついは12こです。

そしてくびのほねです。

いま、びこつからくびのほねまでいいました。

あかちゃんをささえるほねはびこつとせんこつとこつばんです。

ふともものほねはいちばん大きいほねです。

すねのところに2つのほねがあ

7ページ目 あし(1) あたま(3)

ります。1つめは「びこつ」、2つめは「けいこつ」です。そのふともものほねとびこつ(けいこつもいっしょ)のかんせつのところに「しつがいこつ」というほねがあります。しつがいこつはさんかくです。(右のずはしつがいこつです)

あしのほねのなまえはしこつとちゅうしゅこつはてとおなじですが「しゅ」ときているのでそれをあしにかえて「そっこんこつ」です。

あかちゃんのあたまのほねは「ほねとほねのつながりめがあいています。」でもぎざぎざにはなっています。

あいているところにもなまえがあります。「だいせんもん」と「しょうせんもん」です。だいせんもんはあたまのうえにあり、しょうせんもんはあたまのうし

8ページ目 あたま(3) こし(2) かた(1) て(2) せぼね(2)

ろのほうにあります。

いぬのしっぽのなまえはにんげんとおなじで「びこつ」です。ほねのかずは6から20こです。

いぬはさこつがありません。それは4そくほこうだからです。

あかちゃんのてのほねはあたまとおなじでほねとほねがはなれています。20さいになるとかんせいします。

せぼねのうしろのところを「きょうとっき」といいます。ほかにも「とっき」のついたところをしっていますか。「けんじょうとっき」。「けんじょう」は「けん」となって「けんみたいなとっき」となります。そこのばしょを「みぞおち」ともいいますね。たしかにみてみればちょっとけんじょうとっきのと

9ページ目 せぼね(2) ほね(1) つの(1)

ころはへこんでいます。

ほねのはたらきは「ほねをささえる」ことと「けつえきをつくる」ことです。けつえきをつくるところはおとなとこども、どちらが多いとおもいますか。それはこどもです。ほねのかずもこどものほうが多いです。

ほねの中はくうかんです。かたいほねはそとがわだけで、中はくうかんです。でもとりのほうがくうかんがあります。それはとぶからです。おもいととべませんから、くうかんがひろいのです。

うしのつのはほねのしんのうえ

10ページ目 つの(1) あしのゆび(1) は(1)

にかくしつのさやがあります。いっぽうさいのつのはぜんぶかくしつで、中にほねはありません。

うまのゆびのかずは1本です。3本ゆびはさいです。うしやらくだは2本で、かばは4本です。ダチョウも2本です。ダチョウはとてもあしがはやいですね。なのであしがしっかりしています。

ははいきものによってちがいますね。それはたべるものがちがうからです。うまとうしはおなじそうしょくどうぶつなので「は」もにていますね。ライオンはにくしょくどうぶつなので「は」もするどいです。

11ページ目 は(1) ほね(2) こし(3) あしのゆび(2)

「は」はほねではありません。でもけっかんはとおっています。ほねは、まわりにしんけいがとおっています。

にんげんは1かいはえかわるけどぞうのおくばは5かいもはえかわります。でもねずみはなんかいもはえかわります。

ほねはぜんぶあわせてやく200こあります。でもほんとうにけいさんすると200こいじょうはあります。

こつばんとだいたいこつのところをけんこうこつのところとおなじで「きゅうかんせつ」といいます。こつばんのぶぶんはくぼみができています。そこにだいたいこつのまるいぶぶんがはまります。

みなさんいろいろないきもののあしのゆびをみてみてください。いきものによっ

12ページ目 あしのゆび(2) あたま(4)

てちがいますね。ペンギンは3本。にんげんはもちろん5本。あしあとなどでわかりますね。

こうとうこつのしたのほうは「だいこうとうこう」というあながあります。

めのはいっているくぼみを「がんか」という。

(──2015年5月19日)

拝読して、まずはこれが大変貴重な本だということが分かりました。すなわち、M君にとってますます宝物になるのだろうと予感しました。

そして、内容もさることながら、それを自分だけでなく人にも知ってもらえるように、丁寧に字を書いていること、「人に伝える文章」になっていることが、素晴らしいと思いました。

各部の骨の名前の意味をはじめ、自分が納得したことが克明に書き記されていました。(たとえば7ページ目、『あしのほねのなまえはしこつとちゅうしゅこつはてとおなじですが「しゅ」ときているのでそれをあしにかえて「そっこんこつ」です。』など)。

11ページ目の「でもほんとうにけいさんすると200こいじょうはあります。」というのは、おそらくM君が実際に図鑑で一つ一つ数えてみたのだろうと思います。

M君は、「ぼくの夢って、どんどん変わっていくんや!」と言っていました。嬉しそうに、自信たっぷりにそう言うのです。M君の通る道は、M君にとって、すべてOK.なものであり、それを行く後ろ姿を、つくづく応援したいと思いました。

これは私の思い出なのですが、1年生の頃、連絡表に図鑑で調べたことを書いて出したことがありました。欄内には書き切れず、裏に回って書き込みました。後日、担任の先生から「~君はものしりはかせですね」というコメントがついて帰ってきたことを、すごくうれしく思って、その後もよく図鑑を開いて、書き写していたことを、ふと懐かしく思い出しました。

もし、他の生徒の人も、お家で書いたり調べたりした文章があれば、見せて下さい。どんなことでも構いません。

私もみんなの「ことば」を見せてもらえるのを、楽しみにしています。