『西洋の児童文学を読む』B
金曜18:40~20:00 担当:加藤千佳
一人では読み飛ばしがちでも、仲間と音読しあって補います。また、要約を書いて理解を深めます。一つの作品を繰り返し読むこと、精読が人生のよりよい友となることを応援します。
<2024年度>
『アンの愛情』(モンゴメリ、村岡花子訳、新潮社)を読んでいます。
こちらの記事もご覧ください。
<2022年度~2023年度>
『赤毛のアン』(モンゴメリ、村岡花子訳、新潮社)
4月からのテキストは、『赤毛のアン』(モンゴメリ、村岡花子訳、新潮社)です。ご存じの通り、プリンス・エドワード島の美しさとともに、見えないものに対する想像力の大切さが心にしみる作品です。
男女問わず多くの読者がアンのことをもう一人の自分、アンの口癖である「腹心の友」(bosom friend)だと思ったことでしょう。「なぜなら友人は、いわば第二の自分であるから」(Est enim amicus qui est tamquam alter idem)というキケローの言葉(『友情について』80)を思い出します。
物語の終わりに、次のような一文があります。
she knew that flowers of quiet happiness would bloom along it. The joy of sincere work and worthy aspiration and congenial friendship were to be hers; nothing could rob her of her birthright of fancy or her ideal world of dreams.
アンは静かな幸福の花が、その道にずっと咲きみだれていることを知っていた。真剣な仕事と、りっぱな抱負と、厚い友情はアンのものだった。何ものもアンが生まれつきもっている空想と、夢の国を奪うことはできないのだった。(村岡花子訳)
読んだことのない人はお楽しみに、読んだことのある人はまたアンの友達になりましょう! 新たな参加者をお待ちしています。 (クラスでは随所、英語の原文も参照します)
これまで扱ったテキスト:
- 『白い盾の少年騎士』(上・下)(トンケ・ドラフト、西村由美訳、岩波少年文庫)
- 『王への手紙』(上・下)(同上)
- 『はてしない物語』(エンデ、上田真而子ら訳、岩波書店)
- 『モモ』(エンデ、大島かおり訳、岩波文庫)
- 『トムは真夜中の庭で』(フィリパ・ピアス、高杉一郎訳、岩波少年文庫)