ことば2~4年では『獣の奏者』を講読中です!

福西です。

講師の加藤千佳先生から、クラスで今読んでいるテキストの紹介文を預かりました。

以下にご紹介します。

本クラスでは、秋学期から『獣の奏者』を読み始めました。「決して人に懐かない」と言われる獣と心を通わせる、一人の少女の物語です。

作者の上橋菜穂子は、国際アンデルセン賞を受賞した児童文学の巨匠です。架空の国を舞台にしたファンタジーであるという点では、春学期に読んだ宮沢賢治『銀河鉄道の夜』と共通しています。しかし『銀河鉄道の夜』が幻想的な世界観をあえて押し出す作品であるのに対し、『獣の奏者』はどこまでもリアルさを追究する作品です。自然の恐ろしさや驚異的な美しさ、主人公の喜び、悲しみ、痛みが、作者の精緻な筆によってどこまでも現実に広がっていきます。

また本クラスでは、主人公・エリンの10歳から20歳までを描く「闘蛇編」「王獣編」を扱う予定です。しかしこの作品は更に「探求編」「完結編」へと続き、そこでは大人になった主人公が、37歳で死を遂げるまでの壮絶な物語が刻まれています。この後半の二編を除いたのには、生徒の皆さんがこれから心身共に成長されてからの方が、よりリアルにより深い感慨をもって物語を受け取れるのではないか、と考えたからです。またこの「続き」の存在が、読書を生涯の友としていくための一助となることも期待しています。

加藤千佳

『ことば2~4年』クラスは、水曜日の16:20~17:20です。

ご興味のある方は、ぜひお問い合わせください。途中参加を歓迎いたします。