『フランス語講読』

オンラインのみフランス語講読 』

📖サン・テグジュペリ『星の王子さま(Le Petit Prince)』

 土曜  13:00~14:20 講師:谷田 利文 

受講生が集まり次第開講。『星の王子さま(Le Petit Prince)』を最初から読みます。

文法を一通り学んだ経験のある方が、文法を学び直しつつ、文章の読解を行います。

【講師からのメッセージ】

このクラスでは、コレット『La chatte 牝猫』、サン=テグジュペリ『Le petit prince 星の王子さま』などを読んできましたが、2025年の4月から、『星の王子さま』を改めて始めから読みたいと思っています。サン=テグジュペリは事務仕事やセールスマンの仕事、軍隊での規律正しい生活は大の苦手でしたが、航空郵便事業のパイロットとして、同僚たちと友情を育み、責任者として赴任したアフリカのキャップ・ジュビーでは、不時着したパイロットを誘拐するなど争いが絶えなかった現地の人々とも友情を育んだといいます。

『星の王子さま』では、apprivoiser という言葉が頻繁に使われますが、「飼い慣らす」という日本語の訳では捉えきれないような、他者との関係性が示されていると感じます。新しい翻訳では「なじみになる」「なつかせる」等とも訳され、『星の王子さま』の中では apprivoiser とは「créer des liens 絆を作ること」と説明されます。サン=テグジュペリは「関係」にとことんこだわった作家といえるでしょう。現代の日本において、過度な個人主義から脱却し、かつ全体主義や国家主義に陥らない、他者との関係を考える中で、サン=テグジュペリは大きなヒントを与えてくれるのではないかと感じています。

 

過去使用したテキスト:「森本英夫・三野博司『増補改訂版 新・リュミエール――フランス文法参考書』駿河台出版社、2013年、『Promenade』(東京大学出版会)、 Colette, La chatte、サン・テグジュペリ『星の王子さまLe Petit Prince』(2021年12月〜2022年12月)ほか