春学期2回目の記録。
今日から、色鉛筆での制作が始まりました。
教室から見た、薔薇の庭を描くMちゃん。軽やかなタッチ。
園庭に行って、目に焼き付けたものを教室で描くSちゃん。こってりと、色を重ねます。
30度を超す真夏日でしたが、二人とも最後まで集中して、色鉛筆を走らせていました。
Mちゃんは、薔薇の庭を描き終えると、石段の脇に生えていた、小さな草を選んで描きました。
「なんか、これが可愛かったから・・・」
見る人によっては「雑草」で片付けられてしまいそうな、高さ5センチほどの草ですが、おにぎり型の葉っぱで、触るとふわふわです。
T君は、基本的に生き物が大好きなのですが、イモムシやナメクジなど、やわらかいものが苦手で、この季節、至る所に現れるようになったケムシやアオムシが目に飛び込んできては、「嫌だよう〜」と、気になって仕方ありません。その割りに、近くで観察してみたい気持ちもあり、私が透明のケースに移したアオムシを、「うわ〜」と顔をしかめながら、Y君も一緒になって「うわ〜」と言いながら、観察しました。「ほら、この点々の模様、よくみると、ある数字になってるよ!」「ゼロって書いてある!ゼロ、ゼロ、ゼロ・・・」
しかし、その後も「気持ち悪い〜」と腕をさすりながら、そわそわして制作に入れないT君に、
「そこまで気になるのなら、いっそアオムシを描いてしまうというのはどう?気持ち悪い〜!という気持ちを、ここ(画用紙)に出してしまおう。」そんなふうに提案してみると、意外とすんなり乗ってくれました。
描き終えたアオムシの絵を即座に持ってきて、「これ、絶対に僕に見せんといてな、びりびりに破いて捨ててな!」とT君。「捨てはしないよ。でも大丈夫。裏返して、封印しとくから。」
「ふ〜、なんか気持ちが落ち着いたわ〜」と言いながら腰を据えて、次に彼が描き始めたものは、アオムシなのでした(笑)
何を描こうか迷っていた1年生のY君も、クラス後半は「まだ見ちゃだめだよ!」と言いながら、薔薇の庭のベンチで、西の空に向かって絵を描いていました。
「できたよ!」と見せてくれた絵には、遠くに見える山並み、手前に、山と同じくらい大きなアオムシ、その隣りににっこりと佇む男の子、空には燦々と照る太陽が描かれていました。