浅野です。
いつものようにYさんからの質問を記録しておきます。例によって難易度が高くなっておりますので、英語に自信のある方はぜひご一緒に挑戦してみてください。
Today many people live to be more than 80 years old, but only a very few live to be 100. You only get so much time in this life; you had best use it wisely.
この参考書に載っていた模範解答も示しておきましょう。
今日では80歳より長生きの人は多いけれど、100歳まで生きる人はごくわずかしかいない。人生において人がもつ時間はその程度にすぎないのだ。だからこそその時間は賢く使うべきだ。
Yさんはこの模範解答を読んで違和感を覚えたので質問をしてくれました。そして以下のような説明を聞いて納得してくれました。意訳と英文との間を埋めるこの作業が大事なのです。
一文目はto不定詞のうまい訳し方が要求されますが、ここでは立ち入りません。問題は二文目です。”You only get so much time in this life”が簡単そうに見えて実はやっかいです。一瞬でこの意味をすぐにつかめると相当なものです(私には無理でした)。一つ一つ順番に見ていきましょう。”only”はどこにつなげたらよいのかが問題となります。「あなただけ」、「得るだけ」、「時間だけ」、「この人生だけ」のどれが正しいのでしょうか。”only”はその直後につなげるのが一般には正しいです。つまりここでは「得るだけ」です。「あなただけ」と言いたければ”only you”ですね。
もう一つ難しいのが”so much time”です。これは時間が多いのでしょうか、それとも少ないのでしょうか。文脈からすると少ないはずです。それなのになぜ”much”を使うのかを疑問に思った方は次の例文を見てください。
Mr. Okamura is as tall as Mr. Ikeno.
このとき岡村さんと池野さんは背が高いのでしょうか。そうかもしれませんし、そうではないかもしれません。二人とも背が低くて、その二人の背の高さが同じくらいだと言っているだけの可能性が十分あるのです。
同じように考えると、ここでの”so much time”は一文目で述べたのと同じくらいの量の時間、つまり100年にも満たない、この文を書いた人にとっては短い時間です。
セミコロン以下の”had best”は”had better”と同じように助動詞的に考えるとよいです。「~するのがよい」という意味です。
他にも”may as well”(~したほうがよい)という助動詞表現を含む文などについても質問を受けましたが、すぐに解決したのでここでは省略させていただきます。