浅野です。
今回で今年度の授業は最後です。とはいえ補講がある人もいますし「何でも勉強相談会」などにも来てもらえたら歓迎します。英語の学習が最後になるわけではありませんからね。
Yさんは文型についてとても大事な質問をしてくれました。次のような問題で悩んだそうです。
空所に同じ英単語を入れよ。
John ( ) Nancy a good job.
John ( ) Nancy a good tennis player.
“found”が入るのではないかということは何となくわかったそうです。センスがありますね。せっかくの機会なのでさらに理解を深めましょう。
文中の前置詞がついていない名詞は必ず文の要素(S, O, C)になるので、どちらの文もSVO1O2かSVOCのどちらかでしかあり得ません。この両者の違いは、O1≠O2であるのに対し、O=Cであることです。この問題でいうなら上の文では”Nancy”と”a good job”がイコールかどうか、下の文では”Nancy”と”a good tennis player”がイコールかどうかを考えればよいわけです。となると上の文はSVO1O2で、下の文はSVOCでしょう。O1は間接目的語といって「誰々に」、O2は直接目的語といって「何々を」となります。”He gave me a watch.”「彼は私に腕時計をくれた」という例文が典型的です。他方”find O C”は「OがCであるとわかる」という意味です。”make O C”なら「OをCにする」です。
以上より空所に”found”を入れて意味を取ると
ジョンはナンシーによい仕事を見つけた。
ジョンはナンシーがよいテニス選手だということがわかった。
となります。文型という考え方は便利ですね。
Sさんは偉いです。合格が決まってなお学び続ける態度は、本物の大学生になる証でしょう。誇らしく思います。
Yさんの問題は味わい深いです。この手の問題を見て、ぱっと答えがひらめくかどうか。この手の問題をたくさんこなすのが即断即決の近道のようですが、逆に、読書会でされているように、じっくりと英文を読みこなし、また、たくさんの英文を速読することによって、じわじわと力がつく、という「急がば回れ」の道もあります。お奨めは後者です。最後の仕上げとして、前者のやり方もある、ということでしょう。