福西です。早いもので、今学期の最終回となりました。
前回、百人一首を全部吹き込み終えたので、それをDVDに焼いて、この日、生徒たちに渡すことができました。(お話作りで書いてくれた作品や、漢字の取り組みの記録も一緒に入っています)。
またいつかこの時のことを思い出すよすがにしてくれればと思います。
さて、しめくくりにふさわしく、この日は自分たちの声を使って、かるたをしました。ちょうどカウンターにHちゃんがいたので、Hちゃんも誘って、Iちゃん、Mちゃん、Hちゃんの3人対私とでしました。
100首あるうち、場に並べる50首をあらかじめ選んでもらうことに。そこで、Iちゃんは、かねてからずっと持って来ている「虎の巻」(中学生のお兄ちゃんからもらった百人一首の練習プリント)をさっそく広げ、作戦会議を招集。
「私はこれとこれとこれを取るから、Mちゃんは・・・」
「じゃあ、私はこれとこれとこれを取るから、Hちゃんはこれを取って!」
「えー、私、でもあんまし覚えてへんねんけど・・・」
「じゃあ、これ! これだけでいいから!」
「これは・・・最初どうよまはんの?」(『ゆめのかよひち』を指差す)
「それはな、『す』って読まはったらすぐに取れるん」
「え、『す』だけでええの?」
「そう、それは1枚しかないから!」
「あと、『む』もお願い。これ取ったら、先生がっくりしはるから!」(『きりたちのほる』は私の得意札^^;)
と、こんな調子でした。
札の選択が終わったら、次は並べて、暗記時間です。そこでも生徒たちは抜かりなくて、IちゃんとMちゃんは、今まで覚えてきたそれぞれの得意札を目の前に展開。また飛び入りのHちゃんも、「これ取って!」と二人に言い含められた札(私の得意札など^^;)を前に置いて、それをひたすらマークする役を任されていました(笑)。
結果は…
(空札以外の)どの札も瞬殺で、生徒たちの圧勝。ちなみに私は5枚しか取れず、嗚呼、という感じでした(苦笑)。
圧倒的大差で、あと2枚残っていたのですが、そこで休み時間に入ってしまったので、「そちらの勝ちで・・・」と私が言いかけるなり、
「最後、これだけ取りたいの!」
と、生徒たちは自分の得意札が手元にある限り、それがよまれるまで赦してくれませんでした(- -;)。
(確か「はるすぎて」と「いにしへの」だったかと思います。Hちゃんも作戦通り、「す」と「む」(むすめふさほせの2枚)を取れていました。)
そんなこんなでしたが、ぜひ、これからも生徒たちが百人一首を好きになって、今ある得意札に新しい歌を付け加えていってくれたら嬉しいです。
『青矢号』は、15、16章を読みました。青矢号の一行から、おすわりパイロット(と、そのパイロットのことが好きな黒人形)と、そして「まるでクジラが千頭・・・」が口ぐせの片ヒゲ船長が、子供たちのプレゼントとして離れていきます。
片ヒゲ船長は、マリン・ロッシという子供の名前に縁を感じ、そこで、みなに別れを告げます。
「われわれは感きわまっている」
と、インディアンの銀バネ大将は言いますが、船長は照れ隠しのせいか、
「そんな言葉は知らないし、どんな意味かしらべる辞書も持っていないね」
とうそぶきます。(生徒たちにはあとでぜひ辞書を引いてほしいものです^^)
そんな船長の、
「きっとまた会えるさ。地球はまわっているからな」
は、なかなか気の利いた、いい言葉だなと私も感じました。
さて一人になった船長は、帆船を洗面器に着水させ、完璧に準備をすませます。そして想像します。
「明日の朝、いそいで顔を洗いにここにやってきたマリンがどんな顔をするか、早く見てみたいものだ。きっとまだねぼけていて、きちんと目もあいていないだろうから、なにもわからないまま洗面器に手をつっこむにちがいない。水がつめたくていやだなあと思いきや、なにが手にふれると思う? わしのじまんの帆船の、いちばん高い帆げたさ。それで、たちまち目がぱちっとさめるってわけだ。」
そして、章の終わりには、こう書かれています──
よく朝、片ヒゲ船長が目をさますと、なにもかもが彼の予想どおりに運びました。
と。
さて、ここまで読んできた『青矢号』ですが、クラスとしては、ここでひとまず区切りたいと思います。残すところあと6章、最後まで読めなかったのは心残りですが、次のような言葉を添えて、あとは生徒たちに読んでもらうことにしました。
「青矢号をずっとほしくてたまらなかったフランチェスコですが、実は、彼が最後に手にするプレゼントは、青矢号ではありませんでした。さて、それは何だったのでしょうか? このお話を最後まで読んだ人だけに、それは分かります」
と。
#ちなみにMちゃんが後ろのページをちらっと覗いて、「あ、予想どおり!」と言って、ニヤッとしたことだけ、最後に付け加えておきます(^^)
それではみなさん、また会う日まで。1年間、ありがとうございました。