0702 英語高校

浅野です。

Sさんは前回に引き続きリーディングでした。英文を読んでいると、”with”や”as”が気になるようで、その質問を何度かしてくれました。いつもながらよいセンスをしています。

“with”は「~とともに」というのが中核にある意味です。ただ日本語にするときには少し工夫が必要なこともあります。”With the declining birth rate and aging society, …”といった文を直訳するなら「出生率の低下と社会の高齢化とともに…」となりますが「出生率が低下し、社会が高齢化するとともに…」と、英語の名詞を日本語では動詞のように訳すと自然な日本語になります。文法用語で言うところの「名詞構文」です。”with”に関しては、”with+O+C”となる付帯状況のwithも重要で、「OがCの状態で」という意味です。これも訳すには工夫がいります。

“as”はやっかいだと感じる人が多いでしょう。まず大まかに前置詞と接続詞に分けます。前置詞のasには基本的に「~として」という意味しかありません。”He is qualified as a pilot.”「彼はパイロットとしての資格がある。」といった使い方です。ただ例外的に”as an adult, …”といった表現は「大人として…」ではなく「大人のときに…」となります。これは”as (he was) an adult, …”のように主語+be動詞を補って接続詞のasだと考えるのですね。asの後に主語と動詞があれば接続詞としてasが用いられているわけですが、こちらの使い方は5種類あります。頻度が高いのは「~するとき(when)」と「~だから(because)」です(①、②)。asを見たらまずこの2つを疑います。次に「~するにつれて」というものも割とよく見かけます(③)。あとは「~だけれども」という譲歩の特殊な使い方と、「~ように」という使い方です(④、⑤)。asと言えば「~ように」だと思っている人もけっこういますが、この用法は私の経験上は比較的少ないです。

① I saw Judy as I was getting off the train.
  (電車を降りるときにジュディーが見えた。)

② As it was getting late, he decided to check into a hotel.
  (遅くなってきたので、彼はホテルにチェックインすることにした。)

③ As time went by, she became more beautiful.
  (時がたつにつれ、彼女はいっそう美しくなった。)

④ Angry as she was, she couldn’t help smiling.
  (彼女は腹を立てていたが、微笑まざるを得なかった。)

⑤ Why don’t you behave as I’ve always told you to?
  (しなさいっていつも言っているようになぜしないのよ。)

今回で春学期も終わりしばらく夏休みです。Sさんの要望に応える形で、文法の理解を試すような4択問題(センター試験の第2問のようなもの)を宿題として渡しました。全範囲から基本的な問題を集めると300問くらいになりました。意外と少ないものです。

Yさんはto不定詞の名詞的・形容詞的・副詞的用法の区別がわかりづらいとの質問をしてくれました。中学の段階では、名詞的用法は「~すること」、形容詞的用法は「~するための」、副詞的用法は「~するために」と習ったはずです。しかし高校以上になるとそれだけでは不十分です。名詞的用法は「~すること」と訳してまず間違いありませんが、形式主語や形式目的語のitが登場することが多いのが要注意です。形容詞的用法は文脈に応じて「~するべき」、「~するという(同格)」と訳し分ける必要があります。とにかく名詞を修飾するのだということを意識していればよいです。問題は副詞的用法で、これにはいろいろな表現があります。詳しくは0416英語高校を参照してください。