浅野です。
Sさんは前回に引き続きリーディングでした。英文を読んでいると、”with”や”as”が気になるようで、その質問を何度かしてくれました。いつもながらよいセンスをしています。
“as”はやっかいだと感じる人が多いでしょう。まず大まかに前置詞と接続詞に分けます。前置詞のasには基本的に「~として」という意味しかありません。”He is qualified as a pilot.”「彼はパイロットとしての資格がある。」といった使い方です。ただ例外的に”as an adult, …”といった表現は「大人として…」ではなく「大人のときに…」となります。これは”as (he was) an adult, …”のように主語+be動詞を補って接続詞のasだと考えるのですね。asの後に主語と動詞があれば接続詞としてasが用いられているわけですが、こちらの使い方は5種類あります。頻度が高いのは「~するとき(when)」と「~だから(because)」です(①、②)。asを見たらまずこの2つを疑います。次に「~するにつれて」というものも割とよく見かけます(③)。あとは「~だけれども」という譲歩の特殊な使い方と、「~ように」という使い方です(④、⑤)。asと言えば「~ように」だと思っている人もけっこういますが、この用法は私の経験上は比較的少ないです。
① I saw Judy as I was getting off the train.
(電車を降りるときにジュディーが見えた。)② As it was getting late, he decided to check into a hotel.
(遅くなってきたので、彼はホテルにチェックインすることにした。)③ As time went by, she became more beautiful.
(時がたつにつれ、彼女はいっそう美しくなった。)④ Angry as she was, she couldn’t help smiling.
(彼女は腹を立てていたが、微笑まざるを得なかった。)⑤ Why don’t you behave as I’ve always told you to?
(しなさいっていつも言っているようになぜしないのよ。)
今回で春学期も終わりしばらく夏休みです。Sさんの要望に応える形で、文法の理解を試すような4択問題(センター試験の第2問のようなもの)を宿題として渡しました。全範囲から基本的な問題を集めると300問くらいになりました。意外と少ないものです。
Yさんはto不定詞の名詞的・形容詞的・副詞的用法の区別がわかりづらいとの質問をしてくれました。中学の段階では、名詞的用法は「~すること」、形容詞的用法は「~するための」、副詞的用法は「~するために」と習ったはずです。しかし高校以上になるとそれだけでは不十分です。名詞的用法は「~すること」と訳してまず間違いありませんが、形式主語や形式目的語のitが登場することが多いのが要注意です。形容詞的用法は文脈に応じて「~するべき」、「~するという(同格)」と訳し分ける必要があります。とにかく名詞を修飾するのだということを意識していればよいです。問題は副詞的用法で、これにはいろいろな表現があります。詳しくは0416英語高校を参照してください。
毎回丁寧な授業のレポートをアップしていただき、ありがとうございます。私の世代ですと、as といえば、As TIme Goes By (時の過ぎゆくままに:カサブランカのテーマ曲)などを真っ先に思い出します(^^) 何でもよいので自分の例文を少しずつストックしていくことが文法に親しむ秘訣ですね。
音楽つながりということでは、"Dreams come true"はそのまま使える例文になっています。しかもS+V+Cのやや特殊な構文ですね。また、"Mr. Children"の登場以降、"child"の複数形を間違える人はめっきり減りました。その昔には磯野貴理が所属していた「チャイルズ」というアイドルグループもありましたが…
俗に言う脱線ネタですが、学生時代に覚えているのはこのような話題だったりします。音楽と言えば、Nagumo 先生は中学時代にビートルズの曲をすり切れるまで聴いて、メロディと歌詞を覚えることで英語が好きになっていった、という趣旨のことをうかがったことがあります。そりゃあ好きになるでしょう(^^)