かず(0222)その2

福西です。前回の問題を考えたあと、時間があまった人に配った論理パズルと、それに対する生徒たちの解答です。

『食べた野イチゴ』(『論理パズル「出しっこ問題」傑作選』小野寺博一著より)

(問題文は著作権の都合で割愛します)

問題文がないので分かりにくいかと思いますが、一生懸命考えて書いている雰囲気だけでも伝わればと思います。

 

<生徒の解答>

 G.T.君の解答

答えはAが2つBが1つCが3つです。これからしょうめいします。

もしAが3つたべていればBと同じ数食べているといっています。しかし(問題の条件より)みんなのいちごをたべる数はそれぞれちがいます。なのでむじゅんが出るのでAはうそをついていることになります。だから3個たべた人は、真実をいうのでAは3つ食べたことはありえません。なのでAがいちごをたべた数は1こか2こです。

もしBが3つ食べたならCと同じ数といっています。しかし、全員ちがう数のいちごを食べているので、いつわっていることになります。つまり3つ食べた人は真実をいわなければならないので、Bが食べたいちごの数は1つか2つしかありえません。

もしCが3つならAは2つ食べたことになります。むじゅんがありません。つまり3つ食べた人は真実をいっています。なので言っていることにむじゅんがないCは3のかくりつが高いです。でもこれではかくじつにAが3つとはいえません。しかし今まで3つ食べた人はいません。ですが(Cが3つの時だけ)全たいにだれかが1つ2つ3つになる(問題の条件に合う)のでCは3つ食べています。そしてCのいうとおりCよりAは1つ少なくC2つBは残りの1つです(ここまで矛盾がないのでこれが答)。これでおわります。

 

I.R.君の解答

証明

もし、Aが3こ食べていたら、「Bは、私と同じ数の野イチゴを食べました。」といってAは、ウソを言っているので、むじゅんしています。

もし、Bが3こ食べていたら、「Cは、私と同じ数の野イチゴを食べました。」といってBは、ウソを言っているので、むじゅんしています。

もし、Cが3こ食べていたら、Cは、「私はAより1こだけ多く食べました。」と言っていて、もし、Aが2こで、Bが1こ食べていたら、「3こ食べた者は少なくても真実を語っています。」と合うので、これが、ゆいいつの答えです。

 

N.S.ちゃんの解答

証明

もし、Aが3つならば、「Bは私と同じ数の野イチゴを食べました。」(は正しい)と書いてあるけれど、同じ数を食べるということはありえないから、Aは3こは食べないということになる。

もしBが3つならば、「Cは同じ数の野イチゴを食べました。」(は正しい)と書いてあるからまた同じ数を食べることはありえないからBもちがうということになる。

もしCが3つならば、「私はAより1こだけ多く食べました。」(は正しい)。だから3つだとしたら、本当のことを言っていることになるから、Aは2つ、Bは1つになるから、Aが2つ、Bが1つ、Cが3つという答えになるのです。

 

[全体に対するコメント]

「唯一」や「矛盾」という用語や、「これから証明します」という宣言、また「もし」「だから」という文法など、だんだんと型を覚えて、それが様になってきていることを感じます。そしてなにより、T君の解答はT君らしく、R君はR君らしく、SちゃんはSちゃんらしいです。

 

[追記]

T君とSちゃんが証明を書き上げたのを横目に、R君は、たまたま問題文を読み間違えていて、その日授業中に解けなかったことを大変悔しそうにしていました。「どうやっても矛盾してしまう。答がないことになるから、おかしいなあ」ということになっていたのです。

それは時間的には10分ほどのロスでした。R君は「それがなかったら・・・」と、何度も私に訴えていました。しかし私は、それは「ロスではない」と強く思っています。むしろ貴重な経験が積めたと言えるのではないでしょうか。なぜなら、R君は帰り際に「今度は読み間違いしないぞ」と宣言し、かつ家ではその答案を書き上げてきて、かつ次週には「今度こそ読み間違えないぞ!」と言って臨んでくれたからです。

そのようにR君の中で一貫していた「何か」は、これからもきっと、様々な局面で、困難を切り開くための拠り所になるのではないかと期待しています。