かず4年B(0629)

福西です。落穂拾いみたいになっていますが、前の稿の続きです。

この日は、大きい数をテーマに、次のような質問をしました。

50!=1×2×3×・・・×49×50
は、何ケタになるか?

それについて、Sちゃんが授業で解けなかったことが悔しくて、家で最後まで考えてきてくれました。解答用紙を6枚も束ねた力作で、まるで「論文みたいだ」と感じました(^^)。

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今回は電卓の使用を「あり」としました。ただ、普通の電卓では、桁がすぐに溢れてしまって、どのみち正確に求めることはできません。

そこでSちゃんが考え出したのは、「かけ算を分割する」という方法でした。

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電卓の桁に収まる範囲の計算に区切って個別に答を出し、あとでそれらを「かけ算」するというものです。

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そして、今問題となっているのは「桁の大きさ(オーダー)」です。そこで、「切り捨て」(これも学校で習ったばかりの技ですね!)をしました。(お家でお母さんが教えてくださったとのことでした)。

ここで、100×100=10000という性質(2個+2個=4個と、かけ算が0の足し算になること)を思い出します。すると、問題の計算は、「0を数える」問題へと、より単純にとらえ直すことができます。こうすると、以前のような「ラスボスのかけ算」をする必要がなくなりました。それはすごいことです。

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一生懸命、桁を数え上げるSちゃんの気魄を感じます。

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さて、ここからがまたさらに難関です。0の部分は「足し上げる」ことで計算できましたが、まだ切り上げで残された最高位の桁の数字の処理が残っています。36×36×18×63×・・・と。これをいざ処理すると、最終的に

949402944×273

を計算する必要があるとのことでした。もちろん桁が大きいので、電卓はもう使うことはできません。そこでSちゃんはひたすら手計算を実行してくれました。(以前のラスボス以上の強敵ですね!)

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そしてとうとう、最終的な答にたどりついたSちゃん。

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一番下の青い数字の並びがそうです。小さくて見えにくいですが、拡大すると、

「2不可思議5918那由多7003阿僧祇7120恒河沙」!

つまり、Sちゃんの出した答は、65桁(以上)でした。

(ここで「以上」というのは、途中で切り捨ての処理をしたためです)

合ってます!

本当にびっくりしました!

さて、私は、この答案の返事として、Sちゃんに「今度は切り上げの答も出して結果を合わせたら、もっと完璧な答になるよ」と提案しました。

つまり、切り捨ての答が「65桁以上」で、さらに、切り上げの答もまた「65桁以下」であれば、

65桁≦真値≦65桁

ということになるので、「まぎれもなく65桁」という結論が得られるからです。

それにしてもSちゃんの胆力たるや! 普段は物静かなSちゃんですが、何が飛び出すか、いつもその「底力」に驚かされます。心からの拍手を送りたいと思います。