道に迷ったハリーをハグリッドが見つけてくれたところからです。
ハグリッドがKnockturn Alleyにいたのは、キャベツを守るためになめくじよけを買おうとしたためだったそうです。森の獲物だけでなく畑の野菜も管理しているのですね。
ハリーはハーマイオニーやロンたちと再会しました。Knockturn Alleyにいたと聞いたフレッドとジョージは、自分たちはそこに行くことを許されていないので、brilliantと言います。これがアメリカ版ではexcellentに変更されていました。ある辞書を引くとbrilliantでこのように「すごい」という意味を表すのはイギリス英語だと書かれていました。知っていると思い込んでいる語でも辞書を引いてみると発見があります。
それを聞いたハグリッドはこう言いました。
I should ruddy well think not
ruddyはハグリッド特有の強調語です。そしてwellはそのruddyを修飾して強調しています。それらを抜きにしてもI should think notは意味がわかりづらいです。文脈からすると、「Knockturn Alleyに行くことは考えないほうがよい」といった意味だとは推測できます。
ハリーはロンとハーマイオニーに先ほどドラコとその父を見たということを伝えます。そうするとロンのお父さんが話しに入ってきます。どうやら彼はドラコの父のルシウスを意識しているようです。しかしロンのお母さんにたしなめられます。
don’t go biting off more than you can chew
「噛めないほどの量を口に入れるな」ということで「無理をするな」という意味のことわざ的な表現です。
一行はハーマイオニーの両親とも合流します。そしてウィーズリーおばさん(ロンのお母さん)とハリーは銀行に入ります。ハリーは両親の遺産がありますが、ウィーズリー家は本当に貧しいみたいで銀行から全部引き出してしまいました。
それからめいめいが買い物に向かいます。フレッドやジョージはジョークショップでDr. Filibuster’s Fabulous Wet-Start, No-Heat Fireworksを買いだめしています。「フィリバスター博士の愉快な水始動の熱なし花火」といったところでしょうか。一つの商品にしては長ったらしい名前です。
1時間後には本屋で再集合です。そこではギルデロイ・ロックハートのサイン会が開かれていて、長蛇の列ができていました。この列もイギリス版ではqueue、アメリカ版ではlineと違っていました。並んでいたのはほとんどがウィーズリーおばさんくらいの歳の魔女たちです。もっともハーマイオニーは今年の教科書リストのほとんどを占めていた先生だということでうっとりしていましたが。
並んでいる最中にロンは取材に来ていた新聞記者と小競り合いを起こしますが、それによってロックハートはハリーに気づき、前に連れてきます。そしてハリーはロックハートの本をもらいますが、ロックハートはさらにこう言います。
he would shortly be getting much, much more than my book Magaical Me. He and his school fellows will, in fact, be getting real, magical me.
「彼はまもなく私の本『魔法の私』よりもずっとずっと多くのものを得るだろう。彼と彼の学校仲間は、実際、現実の魔法の私を手に入れるだろう。」これはどういうことかと言いますと、ロックハートはこの9月からホグワーツの先生になるのです。それにしてもここまでの演出ができるなんて芸能人かのようです。
ハリーはたくさんの本をもらってロンたちのところに戻ります。そこへドラコがからかいにやって来ました。
Can’t even go into a bookshop without making the front page.
直訳すると「新聞の一面を飾ることなしに本屋に行くことさえできないなんて」となります。いかにも英語風の表現ですね。ジニーやロンはハリーに加勢してくれますが、どちらもドラコによって怒らされます。お父さんのアーサーが来ますが、今度はドラコのお父さんのルシウスがやって来て、ひどい侮辱をします。
what’s the use of being a disgrace to the name of wizard if they don’t even pay you well for it?
それに対してアーサーはこう言い返します。
We have a very different idea of waht disgraces the name of wizard, Malfoy
さらにルシウスはこう言います。
I thought your family could sink no lower
このあたりの展開はぜひ原文を読んでもらいたいところです。
突然ジニーの大なべが金属音を発し、飛んでいきます。もしかしたらハリーが無意識のうちに引き起こしたことなのかもしれません。これをきっかけにしてアーサーとルシウスは取っ組み合いになります。
というところで時間になりました。4章もあと少しだけ残っています。