しぜんD

高木です。

この「しぜんD」クラスは、今日が初日です。
五年生の男の子のT君、二年生の女の子のKちゃん、二年生の男の子のY君、そして私を加えた、計四人のクラスです。

今日はまず自己紹介をしました。
みんな元気よく発表してくれました。
Y君は昨年度の「しぜん」のバウムクーヘン作りが楽しかったのだそうです。またT君が好きな場所は「知らないところ」なのだそうです。このクラスでも森のいろんなところを探検したいとおっしゃっていました。Kちゃんが好きな花はカーネーションとバラ、好きな場所は沖縄のビーチ(!)なのだそうです。みんなそれぞれ個性豊かな子どもたちで、これからの一年間が楽しみになりました。

自己紹介の次は、このクラスの方向性などを簡単に説明しました。
プリントにしてお渡しした文章を、以下に載せておきます。

            ☆

「しぜん」クラスのみなさんへ 

☆「しぜん」クラスってなに?

 「しぜん」クラスは、「しぜん」を感(かん)じるクラスです。
 「しぜん」を感(かん)じることの良(よ)いところは、ふしぎなもの、おもしろいものを、自分(じぶん)でさがすことができるところです。テレビやゲームでは、おもしろいものは自分(じぶん)でさがさなくても、むこうからかってに伝(つた)えてくれます。でも「しぜん」では、自分(じぶん)から「見(み)つけよう!」と思(おも)わないと、せっかくおもしろいものがあっても、通(とお)りすぎてしまいます。それはぎゃくにいえば、自分(じぶん)がいつもいろんなところにちゅういして、目(め)でさがしたり、耳(みみ)をすませたり、手(て)でふれたりすれば、本当(ほんとう)にすばらしいものを見(み)つけることができるということです。そういう「感(かん)じる力(ちから)」(むずかしい言葉(ことば)では「感性(かんせい)」といいます)を身(み)につけられるのが、この「しぜん」クラスの良(よ)いところです。
 「しぜん」から、いっぱいのことを感(かん)じて、学(まな)んでほしいと思(おも)います。
 そういう意味(いみ)では、みなさんの先生(せんせい)は、「しぜん」そのものです。

☆「しぜん」クラスのこれから

 このクラスは二週間(にしゅうかん)に一度(いちど)です。毎回(まいかい)、森(もり)に入(はい)ってたんけんしたり、季節(きせつ)の草花(くさばな)をさがしたり、その時(とき)におうじて、いろいろなことをしていきたいと思(おも)っています。また、ときどきは、ほかの「しぜん」クラスの人たちといっしょにしようとも思(おも)っています。
 また、みなさんのなかで、もし「こんなことしたい!」という意見(いけん)があれば、どんどんおしえてくださいね。もしできそうなものがあれば、このクラスでやってみようと思(おも)います。
 いつもはだめな「みちくさ」も、このクラスでは大かんげいです。

☆「しぜんにっき」について

 「しぜん」クラスのみなさんには、お家(うち)では「しぜんにっき」というものをかいてもらいます。このクラスは二週間(にしゅうかん)に一度(いちど)なので、お家(うち)にいるときのほうが長(なが)いですね。そこで、「しぜん」クラスいがいのところで見(み)つけたりしらべたりした「しぜん」について、なんでもいいのでここにかいてほしいのです。一枚(いちまい)でもいいし、もっとつたえたいことがあれば、何枚(なんまい)でもいいです。言葉(ことば)だけでなく、絵(え)をかいてもいいです。
 かいてきてくれた「しぜんにっき」は、つぎの「しぜん」クラスで発表(はっぴょう)してもらいます。自分(じぶん)が見(み)つけたすばらしい「しぜん」を、みんなにもおしえてあげましょう。

それではみなさん、この一年間(いちねんかん)、どうぞよろしくおねがいします。

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以上の文章をゆっくりと読みながら、「しぜんD」のクラスのおおまかな流れを一緒に確認しました。

それを終えると、さっそく、森へ探検に出かけました。
T君とY君の進むのが速いこともありましたが、だいたいは四人でまとまって行動していました。
探検のあいだ、いろいろなことがありました。
桜の花のガクの部分の蜜をなめると、とても甘く、みんなに大好評でした。また、どんぐりが発芽しているのを見つけたり、木の棒でつつくと表面の苔が崩れて、中から白川砂の肌が見えておもしろかったり。Y君は棒を持って、どんどん楽しそうに崩していました。
T君は木登りが好きなのだそうで、登れそうな木を探していました。ストンとした木が多く、なかなか見つからなかったのですが、一本だけ根元からわかれている木があり、それには登れたようでした。
道の脇にの土に空いた一円玉くらいの小さな穴が、何だろうと不思議に思っていると、「これはセミの幼虫が出てきた跡やで」とKちゃん。「セミがさなぎから出てくるところも見たことあるで!」とお話をしてくれました。バプテスト病院の裏の竹林まで来たときも、Kちゃんは「このへんは前にサルがでたことがあるんやで」と教えてくれました。Kちゃんは物知りです。

今日探検できたのは、森のほんの玄関の部分でしたが、発見に満ちた、とても良い時間を過ごせたと思います。