0213 英語一般講読(ハリー・ポッター)

ハーマイオニーの誘いに応じて水曜日に学校で必要な物の買い出しに出かけます。

 

本文を読む際には熟語が難しいという話題になりました。確かにこの場面だけでも” pull on”, “take off”, “be supposed to do”といった表現が目につきます。動詞と前置詞の核となる意味やイメージを身につけるのを基礎として、あとは実際の場面場面で一つずつ覚えていくしかないように思います。少なくとも、これは熟語に違いないという勘が働くようになれば辞書を引けばよいので大丈夫です。そうした勘が働くようになるまでにはけっこうな経験が要求されます。

 

中身に戻りますと、ロンたちはFloo powderと呼ばれるものでいろいろな店があるDiagon Alleyに行くようです。このDiagon Alleyはdiagonally(対角線上の)とかけことばになっていて、魔法使いとマグルとが交差することを暗示していると、受講生の方から教えてもらいました。

 

ハリーはその前の年には地下から行ったので、そのパウダーの使い方がわかりません。炎に吹きかけて行きたい場所をはっきり言うとそこに行けるようです。

 

しかしハリーは灰でむせてしまい、はっきりと発音することができませんでした。そのせいでよくわからないところにたどり着きました。そこにはwithered handや血の染みついたトランプのカード、ガラス製の義眼、邪悪な仮面、人間の骨などがありました。withered handとは直訳すればしおれた手ですが、wizard(男の魔法使い)とかけているのでしょう。

 

しかも何とそこで最も会いたくない人物、ドラコ・マルフォイがやってきます。お父さんと二人でそこにやってきました。このお父さんはドラコによく似ていて冷たい感じの人なのですが、子どもをきちんと教育しているとも言えます。物をねだったり言い訳をしたりするドラコに対して言うべきことはぴしっと言っていました。例えばハリーの悪口を言うドラコに父はこう言いました。

 

I would remind you that it is not — prudent — to appear less than fond of Harry Potter, not when most of our kind regard him as the hero who made the Dark Lord disappear

 

前半は「もう一度言っておこう、ハリー・ポッターをあまり気に入っていないように思われるのは賢明ではないぞ」くらいでしょうか。後半は(it is) not (prudent to appear less than fond of Harry Potter) when most of our kind …と補って、「我々のほとんどが彼を、闇の支配者を消滅させた英雄だとみなしているときには(ハリー・ポッターをあまり気に入っていないように思われるのは賢明では)ないぞ」と解釈しました。

 

そうしているうちに店主がやってきました。in a voice as oily as his hairという表現がおもしろいです。店主はうやうやしい口調で商品をすすめますが、ドラコの父は物を売りに来たとのことです。大臣が強制捜査を増やしており、見つかるとよろしくない物を持っているので、今のうちに処分しておくという意図です。

 

その間にドラコはwitherd handに興味を示します。店主によるとこれは持ち主にしか見えない光を発するので泥棒の友だそうです。それを聞いたドラコの父はこう言います。

 

I hope my son will amount to more than a thief or a plunderer, Borgin, … Though if his school marks don’t pick up, … that may indeed be all he is fit for.

 

「私の息子は泥棒や略奪者よりもましになることを期待しているよ、ボージンさん。…もっとも学校の成績が上がらなければ、それ(泥棒や略奪者)が実際彼に相応しいだけのものになるかもしれないが」といったところでしょうか。訳しづらい表現が並んでいます。

 

ドラコは先生がハーマイオニーをひいきするのだと言い訳しますが、父は一顧だにしません。店主のボージンはWizard blood is counting for less everywhere”とフォローとも取れるような発言をしました。wizard bloodをblue blood(貴族の血筋)と読み替えれば、現代のイギリスに同じことが言えるのかもしれません。

 

ドラコがハリーの隠れているところに近づいた瞬間、取引が成立し、ドラコたちは帰ることになりました。そしてボージンはoilyな態度を解きました。

 

隙を見て店の外に出たハリーはそこがKnockturn Alleyだということを知りますが、何の助けにもなりません。道に迷って困っているところに折よくハグリッドに発見されました。ハグリッドとはホグワーツ(魔法学校)のgamekeeperです。このgameは獲物のことであり、ハグリッドは森で獲物の管理をする猟場番人です。