かず1~2年A(0205)その2

福西です。前回の稿の続きです。

左がSちゃん+H君チーム、右がT君+私チームです。(私はカメラを持っているので見えませんが、一応右側チームにいることになっています^^)

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では、試合開始。先攻はT君で、「低い/赤い/四角い/穴なし」コマを渡したところ。

「クアート」では、自分の手番になると、残っているコマの中から1つ選んで相手に渡します。そして、それを「相手に」置いてもらいます。

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「うーん、これにしよう。はい」と、「低い/赤い/丸い/穴なし」を渡そうとしたところ・・・「あ、やっぱりあかんわ」

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「こっちの方がいいんじゃない?」と、さっきのコマの「高い/穴あり」に変更したところ。

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「はい」

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「じゃあ、ここ」

「うーん、そうくるか~」

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上では、「四角い」コマ2つが並んでいるのを、H君+Sちゃんチームが、「丸い」コマで封じたところ。これでいちおう、この列は、「形」(四角/丸)でも「色」(赤/白)でも「背」(高い/低い)でも「穴」(あり/なし)でも揃わないことになりました。

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「はい」(コンビネーション)・・・という感じで、コマがどんどん置かれていきます。

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「うーん、どれを渡そうかな・・・」

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「やっぱ、これにしよ」(低い/四角い/白い/穴ありを選択)

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ここでT君+私チームは、「低い」の条件で、「クアート」にリーチをかけて、罠を張ることに。

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「むむむ・・・?」

(「低い」の条件で「クアート」に王手がかかっていますが、どの列かお分かりでしょうか?)

ここでボソリと、「ぼくたちの勝ちかな?」とT君。いやいや、まだまだ(^^)

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さて、ここまで手が進みました。H君+Sちゃんチームが、T君から渡された「高い/赤い/丸い/穴なし」(今H君の持っているコマ)の置き場で長考に入ったところです。

今写真のようにH君がコマを置く前は、赤の列が「四角い」でクアートにリーチ状態でした。つまり、それをほっておくと、「四角い」コマが渡せない状態(「四角い禁止」)が継続することになります。一方、残っているコマ(=相手に渡すコマ)は、机の上にある4つだけ。そのうち3つを「四角い」コマ(赤いコマ)が占めています。ということは、「四角禁止」の状態だと、渡せるコマはたった1つ(「丸い/低い/白い/穴なし」)に限られてしまうことになります。

その丸い駒を渡して、相手にクアートされなければ問題ないのですが、そのような限定を嫌ったのでしょう。H君+Sちゃんチームの考えでは、赤い列をつぶして「四角い」禁止を解除し、次いで「四角いコマを相手に渡せる」ようにしたのでした。

(ただよく見てみると、実はそれ以前にSちゃん+H君チームには、すでにクアートできる列がありました。緑の列がそれです。今持っているコマを、緑の列が完成するように置けば、「高い」でクアートでした(^^;) ただ、こうした見落としがあるのも、このパズルの「味」です)

 

さて、実際にSちゃん+H君チームは、上の写真のようにコマを置きました。その時点で、以下の2つの列でクアートに王手がかかることになります。

1)オレンジの列・・・これは一つのパターンは、「高い」です。さて、もう一つパターンはなんでしょうか? そうです、「丸い」でもクアートです。(このように2種類あると案外どちらかを見落としやすいものです)。

さて、今残っているコマは、テーブルの上にある4つだけです。そのうちオレンジのコマ2つは、「高い」と「丸い」の条件を含んでいます。なので、SちゃんとH君チームは、それを相手に渡すことはできません。

2)緑の列・・・これも一つのパターンは、「高い」です。そして、もう一つのパターンは、「穴あり」です。ということで、相手に渡すコマのうち、緑のコマも除外しなければならなくなりました。

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Sちゃん+H君チームは、「四角い/白い/低い/穴なし」を選択して渡しました。それをT君は、さっきのコマの左隣に置いたところです。置ける場所ものこりわずか。さて、勝負はつくのでしょうか・・・?

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「これをこう置いたらどうなるんかな・・・?」と、今度はT君+私チームが長考中。

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この状況で、コマを相手に渡すのは、T君+私チームの番です。ここでT君+私チームは長考に入りました。

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残るコマは、この3つだけです。

さて、上の写真とあわせて見てください。まず、Aのコマを渡すことはできません。なぜなら、オレンジの丸の列を「高い」の条件で(H君+Sちゃんチームに)揃えられてしまうからです。なので、BかCのコマを渡すことになります。では、パターンを1つずつ見ていきましょう。

1)Bのコマを渡した場合・・・おお、なんと「丸い」でオレンジの列がそろってしまいます! なので、アウト。

ということは、Cのコマを渡すしかありません。さて、問題は「相手がそれをどこに置くか」です。

2)Cのコマを渡して、相手がオレンジのところに置いた場合・・・相手(Sちゃん+H君チーム)は、オレンジの列がつぶれたので、Bのコマと、Aのコマも渡せるようになりました。しかし、Bのコマは「低い」ので、さっきオレンジのところに置いたコマ(Cのコマ)が手伝って、赤い列で「低い」がクアートしてしまいます。なので、相手はBのコマを渡してくることはありえません。なので、必然的にAのコマを渡すことになります。

けれども、Aのコマは「四角い」です。そして、さっきオレンジのところに置いたコマ(Cのコマ)も、「四角い」です。ということで、今度は「緑の列」でクアートがかけられてしまいます。

なので、相手がオレンジのところに置くという選択はしないことが分かります。

3)Cのコマを渡して、相手が赤いところに置いた場合・・・これも上で考えた時と同様に、相手がBのコマを渡せば赤い列で「低い」でクアートが、そしてAのコマを渡してもオレンジの列で「高い」のクアートが完成してしまいます。

なので、相手が赤いところに置くことはありえないことが分かります。

4)Cのコマを渡して、相手が緑のところに置いた場合・・・相手がAのコマを渡せば、オレンジの列で「高い」で(緑の列で「四角い」でも)揃います。また、Bのコマを渡してきても・・・?

オレンジの列で「丸い」がそろってしまいます!

ということで、これは・・・

 

詰んだ!

 

ということになります。どうあがいても、Sちゃん+H君チームは、次の手番で相手に何かの条件で揃えられてしまうことになります。すなわちT君+私チームは、「満を持して、Cのコマを渡す」という選択をしました。

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「うーん、どうやってもあかんかなあ・・・」「あかんのかなあ」「ここにおかな、しゃあないのかなあ・・・」

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というわけで、Sちゃん+T君は、上の読みパターンで言えば、3)を選択し、T君+私チームは、「高い」で揃えさせてもらいました(^^)。

いやあ、でも、残り1個のコマを残しての決着に、思わずため息がついて出ました。T君ももちろん頑張りましたが、特にSちゃんとH君に至っては、まだ1回しか実戦していないのに、この高度な読み合いっぷり! 最後までハラハラドキドキしました。またしましょう!