11/8 中学ことば

岸本です。

今週も、漢字のクイズと『人間失格』の輪読を行いました。

今回の漢字クイズの一つは、熟語やことわざに使われている「いとへん」の漢字を選択肢から選んでいく問題です。
「天衣無縫」や「縦のものを横にもしない」など、聞きなれないものもあったようですが、ヒントとして出された意味も合わせて覚えていきましょう。
もう一つは、漢字を組み合わせて三字熟語をつくる問題です。
「工場~」や「臨時~」がひっかけでありましたが、それに惑わされず「臨場感」を導き出せるかがカギでした。
それ以外にも、悩んでいるところがありましたが、アドヴァイスも参考にしながら、なんとか答えることができました。

後半は、『人間失格』の第二の手記を読み終えました。
前回読んだ、ツネ子との出会いと再会の場面から、葉蔵が心中を「実感として」決意するまでの経緯が中心でした。
今回生徒さんが関心をもってくれたのは、堀木が「貧乏くさい」ツネ子をキスに値しないと評した点でした。
今までの葉蔵の視点から見てきたツネ子には、どこか陰のあるものの、美しい人妻というイメージがありましたが、ここで堀木という第三者の視点から、新しい評価が現れるのです。
こうした視点の偏向による登場人物の「変化」を、絵ではなく文で表せることが、面白い点だったのだと思います。
そして葉蔵は、そのような評価を理解しつつも、自分が「はじめて」女性を愛していることに気づくのでした。

入水自殺の結果、ツネ子だけが死に、葉蔵は生き残りました。
その後、病院や警察、検察での葉蔵の様子は、浮世離れした彼の性格を如実に表していました。
これについては、生徒さんからもあいかわらず共感できないとの意見が多かったです。
最後は、「はじめに」に再びたちもどり、背景を理解した上で、二枚目の写真の描写を復習しました。
残るは第三の手記です。
最後の写真に描かれた葉蔵の姿の背景には、いったい何があったのか、その点を考慮しながら、第三の手記を読んでいきたいと思います。