福西です。
この日は『足し算パズル』をよくしました。そして後半は、『密輸ゲーム』ということをしました。
この日の対戦は、2年生のSちゃんv.s.1年生のH君&T君チーム。
以下には大まかなルールを述べておきます。どんなものかは、またこちらの記事をご覧ください。(過去に私が1年生クラスでした授業の様子です)→「過去の記録」
設定と勝利条件
所持金(おはじき)は手元にあるが、金庫は相手側にある。お金を金庫に入れるには、相手の査察を受けなければいけない。その査察をすり抜け、最終的に金庫に多くお金を入れた方の勝ち。(手元のお金の多さは関係ない)。密輸と査察は5回交代する。また最初の所持金は10個。
密輸側
手の中におはじきを隠し(今回は最大5個まで)、税関で査察を受ける。査察側が手の中のおはじきよりも「少ない」数を言った場合、「密輸成功」となり、手の中のおはじきはすべて相手国にある自分の金庫に入る。
手の中に隠すおはじきは0個でもよい。
査察側
密輸側の手の中にある以上(同数も含む)のおはじきの数を言えば、密輸を防ぎ(「密輸失敗」)、手の中のおはじきをすべて没収できる。
ただし、手の中のおはじきが0個だった場合、「疑った罰金」として、自分が言った額のおはじきを相手に支払う。
ルールの性質は、やっているうちにだんだん分かってくるのですが、特にSちゃんが早い時点で次のことに気付いていました。
「密輸の最大数である『5』を言えば、必ず密輸は防げる」
と。ただしそれには罰金のリスクがあるわけですが…さて、どうなるでしょうか。
(「よーし、これならバレないぞ、ウシシシシシ・・・」と密談して自信満々なH君とT君。「別に何個でもいいですよーだ」とSちゃん)
(「何個でしょうか?」H君はニヤニヤと笑みを隠しきれない様子。「むむむ・・・」と冷静に手の中を推しはかるSちゃん)
ちなみにこの時、「5個」と言ったSちゃんに対し、手のひらの中には4個でした。よって密輸失敗となり、4個は「没収」でした。あいたた(笑)
このゲームは、心理戦の側面もありますが、以前からちょくちょく取り入れている「数量を推しはかること」に加えて、ある程度のロジックもまた必要です。
さて、Sちゃんはある時から、「5個」を連続して選択していました。というのも、それまでの状況で、
1)あと2回交代したら終了。
2)自分はすでに3個密輸に成功している。(相手の金庫は0個)
3)自分は所持金が12個。
4)相手は所持金が5個。
となっていたからでした。
ここから、Sちゃんは、次のように結論付けました。
1)相手はあと2回のうちに密輸してこないと、こちらに勝てない。だから密輸してくる可能性が高い。
2)こちらは所持金が10個以上ある。残りは2回。ということは2回とも「5個」と言えば、密輸は必ず防げる。
3)たとえ2回とも「空」で外れて罰金を10個払ったとしても、所持金の多さは勝負に関係ないし、相手の金庫は0個のまま。だから、これで勝てる!
と。
展開は見事その通りとなって、Sちゃんが勝っていました。悔しかったのは1年生チーム。「二人がかりでも勝てへんかったなあ。でも今度は勝つぞー」と、T君がリベンジを誓っていました。(^^)
このゲームは、最初の偶然が、後の必然を決定するところがあり、途中から相手の行動を読めるようになることがポイントとなるゲームでした。
子供のころ、ゲームしながら規則性を見つけて楽しんだ記憶が久々によみがえってきました。家では妹のH、弟のTにはまだ早いので、家族みんなですることがめったにないので、S,Hにとって、貴重な時間ですね。
Sちゃん、H君のお父さん、こんにちは。
コメントをありがとうございます。福西です。
SちゃんとH君は、場の適度な緊張感を保ちながらも、せいいっぱい楽しんでくれるので、私も彼らのリアクションに毎回嬉しくなります。お二人の表情を見ていると、授業を生徒と一緒に作っているんだなと言うことを感じます。
これはお話が逸れてしまいますが、私が子供の頃の遊びといえば、道具立てが少ない状態から始まることが多く、気に入った遊びを一つ見つけると、色々ルールを変えたりして、「どうやったらこれをもっと面白くできるか?」ということに、血道を上げてやりつくした感があります。
その延長線上のこととして、「どうやったら勉強をもっと面白くできるか?」ということも、私自身は中学生以降の勉強でも無意識に応用していたように思います。それが自信ともなっていたので、今いる生徒たちにもそれを伝えられたらと考えています。
よろしくお願いいたします。