かず1~2年A(0122)

福西です。

この日は『足し算パズル』をよくしました。そして後半は、『密輸ゲーム』ということをしました。

DSC09061

この日の対戦は、2年生のSちゃんv.s.1年生のH君&T君チーム。

以下には大まかなルールを述べておきます。どんなものかは、またこちらの記事をご覧ください。(過去に私が1年生クラスでした授業の様子です)→「過去の記録」

設定と勝利条件

所持金(おはじき)は手元にあるが、金庫は相手側にある。お金を金庫に入れるには、相手の査察を受けなければいけない。その査察をすり抜け、最終的に金庫に多くお金を入れた方の勝ち。(手元のお金の多さは関係ない)。密輸と査察は5回交代する。また最初の所持金は10個。

密輸側

手の中におはじきを隠し(今回は最大5個まで)、税関で査察を受ける。査察側が手の中のおはじきよりも「少ない」数を言った場合、「密輸成功」となり、手の中のおはじきはすべて相手国にある自分の金庫に入る。

手の中に隠すおはじきは0個でもよい。

査察側

密輸側の手の中にある以上(同数も含む)のおはじきの数を言えば、密輸を防ぎ(「密輸失敗」)、手の中のおはじきをすべて没収できる。

ただし、手の中のおはじきが0個だった場合、「疑った罰金」として、自分が言った額のおはじきを相手に支払う。

 

ルールの性質は、やっているうちにだんだん分かってくるのですが、特にSちゃんが早い時点で次のことに気付いていました。

「密輸の最大数である『5』を言えば、必ず密輸は防げる」

と。ただしそれには罰金のリスクがあるわけですが…さて、どうなるでしょうか。

 

DSC09060 DSC09059

(「よーし、これならバレないぞ、ウシシシシシ・・・」と密談して自信満々なH君とT君。「別に何個でもいいですよーだ」とSちゃん)

DSC09061 DSC09063

(「何個でしょうか?」H君はニヤニヤと笑みを隠しきれない様子。「むむむ・・・」と冷静に手の中を推しはかるSちゃん)

ちなみにこの時、「5個」と言ったSちゃんに対し、手のひらの中には4個でした。よって密輸失敗となり、4個は「没収」でした。あいたた(笑)

 

このゲームは、心理戦の側面もありますが、以前からちょくちょく取り入れている「数量を推しはかること」に加えて、ある程度のロジックもまた必要です。

さて、Sちゃんはある時から、「5個」を連続して選択していました。というのも、それまでの状況で、

1)あと2回交代したら終了。

2)自分はすでに3個密輸に成功している。(相手の金庫は0個)

3)自分は所持金が12個。

4)相手は所持金が5個。

となっていたからでした。

ここから、Sちゃんは、次のように結論付けました。

1)相手はあと2回のうちに密輸してこないと、こちらに勝てない。だから密輸してくる可能性が高い。

2)こちらは所持金が10個以上ある。残りは2回。ということは2回とも「5個」と言えば、密輸は必ず防げる。

3)たとえ2回とも「空」で外れて罰金を10個払ったとしても、所持金の多さは勝負に関係ないし、相手の金庫は0個のまま。だから、これで勝てる!

と。

展開は見事その通りとなって、Sちゃんが勝っていました。悔しかったのは1年生チーム。「二人がかりでも勝てへんかったなあ。でも今度は勝つぞー」と、T君がリベンジを誓っていました。(^^)

このゲームは、最初の偶然が、後の必然を決定するところがあり、途中から相手の行動を読めるようになることがポイントとなるゲームでした。