岸本です。
物語にどっぷりのめりこむのも良いですが、少し離れて冷静に見てみると、今までとは違う側面が見えてくるはずです。
今回は、芥川龍之介の『猿蟹合戦』を読みました。
この文章は短い随筆で、昔話の「さるかに合戦」のその後を、現実的な立場から描いたものです。
おとぎ話の内容を現実に即して描くこの作品は、ややもすれば「不協和音」を生じるものですが、芥川は冷徹で皮肉たっぷりの筆致で、それを巧みにまくしたてていきます。
しかし、社会の理不尽さを強調しながら淡々と語られる蟹のその後は、読んでいると少し不気味な気もしてきます。
最後に「あなたも蟹なんですよ」という忠告めいた文で締めくくられると、不安さえ心に生じてきます。
生徒さんからも、「これは本当?」、「ひどいなぁ」、「どういうことなの?」という声が聞かれました。
おとぎ話の内容を現実に即して描くこの作品は、ややもすれば「不協和音」を生じるものですが、芥川は冷徹で皮肉たっぷりの筆致で、それを巧みにまくしたてていきます。
しかし、社会の理不尽さを強調しながら淡々と語られる蟹のその後は、読んでいると少し不気味な気もしてきます。
最後に「あなたも蟹なんですよ」という忠告めいた文で締めくくられると、不安さえ心に生じてきます。
生徒さんからも、「これは本当?」、「ひどいなぁ」、「どういうことなの?」という声が聞かれました。
この作品の感想だけでもいろいろ書きたいことはあったと思いますが、今回は、この『猿蟹合戦』を参考に、皆の知っている昔話を少し離れて捉えなおしてみるという取り組みをすることにしました。
この場合、必ずしも芥川のようにネガティブにみなくてもかまいません。
むしろ、今までとは違う視点から見直すことによって、聞きなれた物語の新たな一面を探して欲しいと思います。
今日は、題材となる物語探しに当てました。
いろいろな候補の中から「ももたろう」、「うらしまたろう」、「ごんぎつね」が選ばれました。
本格的に書き始めるのは来週からですが、生徒さんがどのような「ツッコミ」を入れてくれるのか楽しみです。