福西です。
前回の続きで、『足し算パズル』に出てくる、「数の組み合わせ」について考察しました。
ルール1 1~7までの数を使う
ルール2 同列に同じ数は使えない
この条件のもとで、「合計が14になる足し算、あるいは引き算は何パターンあるか?」を考えます。
まず、マス目が次のような場合は、0パターンであることを確認しました。
□□
理由:合計が14になる計算は、一番大きい数である7を使わないと表せない。仮に6を使うと、6+7=13で、最大でも13までしか表せない。だから、7+7=14しかありえない。けれども、一列に同じ数は入れられない。よって、14は作れない。
では、以下のようなマス目で合計14になるのは、何パターンあるでしょうか。
□□
□
実は、一つや二つどころではなくて、たくさんあります。それを生徒たちに「すべて」考え抜いてもらいました。
ちなみに答の書き方で、R君が
□□ □
□ □□
という書き方をしているのが賢いなあと思いました。(それを隣のSちゃんも真似てくれていました)
では、まず、真ん中のマス目に「7」が入った場合を考えましょう。
7□
□
使える数は1~7ですが、一列に同じ数がかぶってはいけないので、7はもう使えません。よって、1~6で考えることになります。
この時、次のように考えている生徒がいました。
残りの二つ分はいくらかというと、14-7=7。
ということは、合計(差)が7になるような二つの数を考えればよい。
これは先週考えた2マスの場合とほとんど同じ状況です。(ただし今度は同じ数を使っても良い点が異なります)
よって、□二つの数の組み合わせは、
「1、6」
「2、5」
「3、4」
の3パターン。そして1⇔6のように数を入れ替えても別のパターンになるので、合計3×2=6パターンです。
実際に書き出すと、以下のようになります。
「716」、「761」、「725」、「752」、「734」、「743」
(716の6は、下の段と思ってください)
これと同じように、
x□
□
(x=1~6)
について考えていきました。結果は以下の通りです。
x=7 6パターン (761、716、752、725、743、734)
x=6 5パターン (653、635、644、617、671)
x=5 4パターン (563、536、527、572)
x=4 3パターン (437、473、455)…446が作れないので特異的
x=3 4パターン (347、374、356、365)
x=2 3パターン (257、275、266)
x=1 2パターン (167、176)
計 27パターン
予想では、xが小さくなるにつれてパターンが1ずつ減る、あるいは単調減少すると思われたのですが、x=4のところでその予想が破れています。それが面白いとも気持ち悪いとも感じるところです。
この日は、T君がいちはやく正解にたどり着いたので、彼には特別に「□□□で14を作る場合と、上のL字の場合と、どちらがパターンを多く持つか?」と質問しました。これには、T君は「L字の方が多い」と予想を立ててくれました。「なぜなら、□□□の方は、一列の中に同じ数が使えないので、数の組み合わせが減るから」と。なるほど。
そこで、では「どれくらい違いがあるか?」と、質問を変えました。
するとT君は、□□□=14について、
「761」「752」「743」「654」
と求めてくれました。そして、
「あ、でも待てよ? 761と716を別のパターンに数えたら、もっと多くなるかも・・・」
ということに気付いてくれました。
さて、3つの数の組み合わせは、なんと6パターンもあります。
ということは、上の4つの種類に対し、それぞれ6倍のパターンが存在することになります。
つまり、
4×6=24パターン。
というわけで、若干、それでもL字の方が多いことが分かりました。(あくまで1~7までの数を使った場合です)。それなので、T君の予想に反して「圧倒的に少ないわけではない」ということが確かめられました。実は、私もその答を知りませんでした。というわけで、深いところまで考察してくれましたね、T君!
残りの時間は、『QUART!』というパズルをしました。それについてはまた別の稿に譲ります。