空飛ぶ車で救出されたハリーがロンの家に着くところからです。
両親に気づかれないうちに家に戻る算段でしたが、母親がすでに待ち構えていました。”The other three wheeled around”(他の3人は振り返った)先にはロンたちの母親であるウィーズリーさんがいました。彼女は剣歯虎のようだと描写されています。実際、自分より背の高い3人の息子は彼女をこわがっています。ロンたちは”YOU COULD DO WITH TAKING A LEAF OUT OF PERCY’S BOOK!”などと怒られます。日本語のことわざで言うなら「パーシーの爪の垢を煎じてのみなさい」といったところでしょう。
It seemed to go on for hours.
これを日本語に訳すなら「何時間も続くように思われた」であり、「何時間も続いたように思われた」ではありません。それならば”It seemed to have gone on for hours.”になります。
ウィーズリーさんはハリーには優しくします。しかし食事中も自分の子どもたちには厳しく、フレッドが曇っていたから誰にも見られていないだろうという趣旨のことを言っても取り合わず、ジョージがハリーの窮状を訴えても耳を貸しませんでした。
食事中にはロンの妹であるジニーがちらっと登場しました。恥ずかしかったのかすぐに出て行ってしまいましたが。
she’ll be wanting your autograph, Harry.
これは日本語にしづらいです。説明調で訳すなら、「(自分の部屋に戻ってしばらく経ったら)彼女はハリーのサインが欲しい状態になるだろう」ということです。
ロンたちは罰としてde-gnome(小人駆除)を課されます。gnome(小人)はアリのようなものでしょうか。ハリーはよくわからなかったので、ウィーズリーさんが本を取って説明しようとしてくれました。
Now, let’s see what Lockhart’s got to say on the subject.
「じゃあ、ロックハートがこの題目(小人駆除)について何と言っているはずかを見てみましょう」となると思うのですが、has got to sayのニュアンスを表現するのが難しいです。have got to doはhave to doの意味です。
ウィーズリーさんがロックハートに入れ込んでいるのに嫉妬してか、ロンたちはそんな本を見なくても小人駆除のやり方はわかると言い張ります。それに対してウィーズリーさんはこう言います。
woe betide you if there’s a single gnome in that garden when I come out to inspect it.
「調べに出てきたときに庭に一匹の小人でもいたらただでは済まないから!」といった感じです。woe betide you if…は「もし…ならばただでは済まないぞ」という型式ばった表現です。
ロンたちはともかく小人駆除に向かいます。小人を捕まえて振り回して遠くに放り投げるという原始的な方法です。どうやらロンの父親は庭を人工的に管理するのではなく、小人も含めてあるがままにしておくような人のようです。
その噂の父親が帰ってくるところで今回は終わりになりました。
受講生のKatoriです。文法の分かりづらい箇所をまとめてくださりありがとうございました。先生の解説を読むことによってさらに理解が深まりました。
コメントの書き込みをありがとうございます。クラス中では取り上げたのに記事中に書き忘れたことをこちらに書いておきます。
ウィーズリーさんが食事の準備をしながらつぶやくセリフで”‘don’t know what you were thinking of’ and ‘never would have believed it’.”というものがありました。
主語はIを補うとして、前半は「おまえたちが考えていたことを私はわからない」ですね。後半は”(I) never would have believed it (if I had known what you had been thinking).”と補って考えるなら、「(おまえたちが考えていたことを知っていたとしても)そのことを決して信じなかっただろう」となります。仮定法ですね。「おまえたちが考えていたこと」や「そのこと」とは空飛ぶ車でハリーを助けに行くということです。