6/15 中学ことば

高木です。

以前から進めてきている宮沢賢治「烏」の感想文ですが、
今日はA君の感想文の添削の後、いよいよ清書に移りました。

A君の感想文も、着眼点、文体ともに、非常に独創的です。
たとえば、「水いろ」「茶いろ」といった詩中の色彩表現については、
わざわざ「いろ」とひらがなで表したのは、それが淡く曖昧な色彩だからではないか
読者がそこに想像力をはたらかせる余地を残すためではないか、と解釈してくれました。
また文体は、こうした解釈を一問一答式で列挙していく、粘り強いものでした。
添削の際にA君の文章を見たH君とK君も、大いに刺激を受けた様子でした。

残りの時間で清書をしてもらったときには、
クラスの仲間や私が指摘した箇所を機械的に修正するだけではない、
自身でも積極的に推敲していく姿をそれぞれの生徒に見ることができました。
H君は「この部分をこう書きたいんですけど…」としばしば私に質問してくれました。
K君やA君も、自分の判断で初稿から大幅に手を加えていました。
彼らはときどき手を止めて思案し、消しゴム片手に書きはじめます。
よりよい表現を自分自身で追及していくこうした姿勢が、非常に尊いと感じました。