福西です。 この日は以下の6名の小学生が参加してくれました。
Koちゃん(5年生)、Yu君(4年生)、Hiちゃん(3年生)、Huちゃん(3年生)、Kiちゃん(3年生)、So君(3年生)
今回も、競技かるたのルールで、トーナメント戦をしました。ただし6人参加なので1回戦ではシードをなくす都合、2人ずつではなく、3人ずつで対戦しました(KoちゃんとHiちゃんの提案)。その中から勝ち抜いた一人ずつが、決勝戦に進めます。
1回戦の対戦相手は、以下の通りです。
Aグループ:Koちゃん、Huちゃん、Yu君
Bグループ:Hiちゃん、Kiちゃん、So君
両グループとも、読み札が残り2~3枚となって、やっと、勝ち抜けが決まるというような、1枚~3枚差の大接戦を繰り広げました。結果、AグループではHuちゃんが、BグループではSo君が勝ち抜けました。
これはいつものことですが、暗記時間に入る前に、「『この歌と友達になろう!』という札を一枚選んで、ぜひ今日はそれを覚えて帰ってください」と言い添えました。たとえば初参加のKiちゃんの場合は、「ゆめのかよひち」(上の句「住の江の」)が自陣にあって、それが一字決まりという特別な札であることを知ると、「これ!」とめがけて覚えてくれました(もしかしたら「ゆめちゃん」というお友達の名前が念頭にあったのかもしれません)。
そして試合中にその札が実際に読まれ、誰よりも早くKiちゃんの手が動いて、取ることができました。その「ゆめのかよひち」を、そのあともいつまでも嬉しそうに思い出しているKiちゃんの表情が、印象的でした。それは他の人たちにも言えることで、今日この日の特別が、「得意札が取れた!」という感動シーンが、あちらこちらで見られました。
そのように「一首」と言って、実際にそれが「取れた!」となると、弾みがつくものです。かるたは、一度にすべての札を覚えようと「思わない」ことがコツだと思いますが、それでも自然な流れで、「次の得意札は何にしよう?」という意気込みが見られました。小学生たちの記憶力はすさまじいものがあって、ちょっとしたエピソードや覚えるきっかけを言うだけで、まるで絵か写真のように脳裏に焼き付くようです(羨ましいですね^^)。
この日は、「むすめふさほせ」といった特別な歌のほかにも、「大江山」、「小倉山」、「春すぎて」、「花の色は」、「田子の浦に」、「秋の田の」、「きりぎりす」、「千早振る」、「うかりける」、「御垣守」、といった歌たちと、各自、思い思いになじみを作る様子が見られました。家まで遊びに行ったお友達の名前は(苗字も)、自然と覚えられるものですが、そのように、最初は友達になることに「ドキドキ」しながら、けれども次からは「ワクワク」して心待ちにできるのが、「かるた」の楽しみだと思います。
HiちゃんやKoちゃんは、今日の一首をとっかかりに、電子辞書のようなものを持参してきていたこともあって(やる気満々でした^^)、順調にレパートリーを増やしていました。Yu君の場合は、取るぞとるぞと張り切っていた札(「淡路島」)が残念、取れなかったので、逆にその悔しさを、他の「小倉山」や「きりぎりす」を覚えて取ることで解消していました。そうして「新たな得意札」を迎えているガッツが、Yu君らしいなあと思って感心しました。
一方、So君は博識な様子で、有名な歌を軸にしながら100首のとっかかりをすでに作っており、自信の程がうかがえました。(時々、札を並べているときも、「上の句はこうやろ?」と、自分の覚えていることをアピールしてくれていました)。Huちゃんも「むすめふさほせ」を中心に、「お家で覚えてきた」成果をいかんなく発揮してくれていました。決勝戦は、このSo君とHuちゃんの二人の対決となりました。
以下が、決勝戦と3位決定戦の組み合わせです。
決勝戦:So君、Huちゃん
3位決定戦:Kiちゃん、Koちゃん、Hiちゃん、Yu君
(3位決定戦は「おちらし」で、一番多く札が取れた人が勝ちとしました)
その様子を写真にとりました。(読手をしながらだったので、実際はほとんど撮る暇がなくて、しかも同じアングルばかりで、すみません–;)。
決勝戦では、「送り札」を「送り返す」ような、一進一退の白熱した戦いが見られました。今回はまさに「勝負は時の運」のような展開だったと思います。
序盤は一進一退でしたが、中盤からHuちゃんがペースをつかんで、4枚差までリードを広げました。しかし、最後の一枚を取るまで勝負がつかないのが、かるたの怖いところです(自陣の札が減るほど取りにくくなり、相手はその逆)。それをわきまえて、So君は最後まで勝負を譲らずに平常心を心がけていました。
対するHuちゃんも、一枚取られたら一枚取り返す、というように(きっとドキドキしながらのことだったとは思いますが)、4枚差を守り切って戦い続けていました。そのため、残念ながらSo君の逆転は最後までなりませんでしたが、So君がここ一番というところで、得意札である菅家の「このたびは」を、相手陣から抜き取った攻めは、大変清々しかったです。ちなみに、優勝者に続いて自身の発表がされる時、So君の目が潤みながらも、朗らかな顔で拍手を受け取っていた様子が、印象的でした。きっと内心は悔しかったに違いありません。次回はぜひ優勝の座を狙ってほしいと思います。
結果発表です。
優勝 Huちゃん(3年)
準優勝 So君(3年)(決勝で4枚差)
3位 Koちゃん(5年)(おちらしで17枚)
最後の時間には「坊主めくり」をしました。
今回は200枚でしました。みなさんもご存知の通り、 誰かが坊主を引いて0枚になっては、そのつど、場の山がどんどん大きくなっていきます。そしてそれを、姫を引いて受け取った人が、またさらに坊主で失って・・・の展開が、とてもスリリングでした。(たくさん持っている人にとっては、姫を引くと「もう一枚」がかえって怖いので、「普通の札」が一番出てほしいというのが面白いです)。これもキャーキャー言いながら、雅にまったりとして遊びました。
というわけで、今回もみんなが来てくれたおかげで、大いに盛り上がりました。私自身、かるたは素人ですが、一人でも多くの人が触れて、かるたのことを好きになってくれると、うれしいです。また「友達に会うような気持ち」でぜひ来てください。(次は夏休みかな? と思います^^)
中には入りませんでしたが、外から少し眺めていました。皆の真剣な熱気があふれ出していました。あと、亮馬先生の朗々としたお声がとても印象的でした。先生が人一倍楽しんでおられたのでは^^?
山下先生、コメントをありがとうございます。
私は読むのは全然下手ですが、のびのび声を出すと、和歌がやっぱり「歌」なんだなと気付かされます。子供たちは「耳」で覚えているので、読む方も責任重大です(笑)
また大人の興味としては、歌の意味にも今更ながら深いものを感じます。百人一首はやっぱり楽しいです。