岸本です。
今回は、前回半分まで進んだ第四章「アフリカのサバンナと砂漠の中で」の後半部を行いました。
内容は前回のスワヒリ語に加え、部族言語である「ダガード語」、それを含む「南ナイル語群」、独特な発音をする「ハッツァ語」、スワヒリ語に影響を与えた「アラビア語」、中央アフリカの言語「フルベ語」などについてでした。
生徒さんからは、アラビア語の文法構造に興味を持ったこと、またアラビア語では辞書を引く事が一人前の証だということ、などについて記されていました。
今回からは、技術的なことも、カキコミだけでなく授業中に触れていきました。
例えば今回は、最初の文で意見を強調すること、また口語的表現についても、作文ではなるだけ避けることなどです。
その後、互いの意見に対するコメントを読んで議論をしました。
生徒さんの意見に対して、私は、よく考えれば英語だって、母国語の日本語だって、辞書を引けるというのは、決して簡単なことではないと主張しました。
また私は、本文における多言語習得者「ポリグロット」の登場から、言語と『国家』の意識の関係について述べたのですが、これに対してはまず「自分の言語」=「自分の国」に結びつくのはおかしいという意見をもらいました。
中学生にしては、とても鋭い意見だと思います。
それについて、コメントには無かった理由を。質問を通して生徒さんにまとめさせました。
彼女によれば、言語を知り、かつその国を知ることができれば、外国語であってもそれを「自分の言語」にすることができるという考えがあったのです。
このように、ある程度論理的に考えることはできているので、あとはそれを表現することが課題だと思います。
来週は第五章「ヨーロッパをゆく」の前半を読み進めます。
また来週は新たな試みとして、要約を生徒さんにやってもらおうと思います。
>母国語の日本語だって、辞書を引けるというのは、決して簡単なことではない
>「自分の言語」=「自分の国」に結びつくのはおかしい
>言語を知り、かつその国を知ることができれば、外国語であってもそれを「自分の言語」にすることができる
紙媒体であれば、上の三カ所にアンダーラインを引きたいと思いました。いずれも所謂逆説になっていて、私もハッとさせられます。このようにじっくり本を読み、議論を交わすことで、いわゆる「広い視野」が得られるように感じました。