岸本です。
前回の続きである第二章「アジア大陸の奥ふかく」の後半を読み進めました。
今回の内容は大きくモンゴル系の言語、中国語、チベット=ビルマ系の言語の3つの言語に分けられます。
いつものように、回し読みをしてコメントを付すことをメインにやっていきました。
生徒自身は、あまり変わらなかったともいってましたが、それでも効果はあったと思いたいです。
例のごとく、資料を見ながら、難しい専門用語を説明し、その後各自調べてきた語句の読みや意味をお互いに出し合いました。
それを終えた後、3人で、三種の言語のうち一つを選んで、それについて意見・感想を書き、回し読みし、コメントを付しました。
中国語を担当した生徒は、ピンインや声調などの特色に着目し、日本語や英語と比較して論じていました。
また今度は中国語の文法に興味を持ったようでした。
他言語に興味を持ってもらうという、この本の目的の一つが達成できたかと思います。
チベット=ビルマ語族を担当した生徒は、言語で「きょうだい」というのは何故なのかと疑問を持ち、それがその言語を用いる民族同士が友好関係にあったからだという指摘をしました。
それに対してもう一人の生徒が、支配―従属関係によって、言語が似ているのではないかと指摘したのです。
それについて、私を介しながら互いの意見をまとめ、議論しました。
結論としては、現在だけをみると区別が付かないが、過去にさかのぼれば、支配―従属関係はなかったようだとなりましたが、なにより生徒が多角的に批評を加えている点が良かったと思います。
また私がその広がりと地域ごとでの変容から提示した「言語は生き物」というテーゼに、「生き物」というより「水」のようだとある生徒が指摘してくれました。
それについても、変容という点では「生き物」だが、意思がない点では「水」という比喩がしっくりくるというような議論を交わしました。
最後に、言語の分布と国境の差異から、現代の世界地図を相対化しようという意見を私から出し、それについて議論したところで時間となりました。
来週は、第三章「大陸の南縁にそって」の前半、ペルシア語やトルコ語についての話を読む予定です。
>ペルシア語やトルコ語
カウンター奥の本棚にこれらの入門書が置いてありました。(岸本先生の本?それとも前川先生の本?)
あの本棚の本をよいタイミングを見計らって紹介してもおもしろいですね。
手にするだけ、字面を目で追うだけでも何か異文化体験した気持ちになれます。
私のものではないですが、この授業ではさっそくその棚のモンゴル語を使わせてもらいました。
ただ入門書なので、モンゴル文字ではなく、キリル文字を使った本でした。
けれども本で手に入れた知識が、実際の世界で目にできた点は良いことだと思います。
山の学校にはかなりマイナーな言語の本もそろっているのでありがたいですね。
トルコ語の本などは今後活用させてもらいます。
あれは(語学王)前川先生の寄贈書だと思います(^^)