岸本です。
ことばも、今日から秋学期が始まりました。
最初ということで、岩波ジュニア新書の『ギリシア人ローマ人のことば』から一文、それと夏休みについて、即興で作文を書いてもらいました。
「人間の平等とか公平とかいうものは言葉としてあるだけで、実際には存在しないのだ。」
これについて、思ったことを書いてもらうと、二人とも例を挙げて「正しくはあるが、間違ってはいない」という趣旨の答えを導きました。
多角的な視覚をしっかりと持っているように思いました。
例えとして挙げられていた事象には、多少難があったものの、論理展開は割りとしっかりしていました。
私も、同様の結論にいたりましたが、まず最初に平等について二つの意味を提示しました。
一つは、すべての者にすべての者を平等に配分するという、社会主義的な平等、もう一つは、個々の能力に応じて配分する、資本主義的正義です。
それらが、現代では法の下で少なくとも、諸所で適応されている。
しかし、それらが人為的である以上、カバーしきれないところ、つまり不平等も存在するという考えです。
二人とも、「存在するか、しないか?」にメインを置いていましたが、それだけではなく「平等とか公平とかというものは何か?」という問いにも着目し、疑問の持ち方も多角的に行ってみるようにしていければと思います。
次に夏休みの間やったこと、思ったことについて、自分の考えを踏まえて即興的に作文を書いてもらいました。
10分ちょいの短い間でしたが、やった事やそれについての自分の考えを、一応のまとまりのある文章に仕上げていました。
だいぶ文を書くことに慣れてきたと思います。
次回からは、また『歴史小品』を読みます。
文を書くことには慣れてきているので、これからはより洗練された文を目指して、添削などにも力を入れようと思います。
山下です。
>岩波ジュニア新書の『ギリシア人ローマ人のことば』
これは良い本をお使いになりましたね。内容もさることながら、やさしい日本語でわかりやすく文章を書くとはどういうことか?その見本のような著作だと思います。