岸本です。
今日は前回読んだ「荘子 宋を去る」を終えました。
「現実からの逃避」をテーマに意見を書いてもらいました。
すると、それぞれ違う意見が出てきました。
一人(Kさん)からは、荘子にとっての現実は非世俗的な世界なのだから「現実からの逃避」というのはおかしいと言いました。
もう一人(Sさん)は、荘子の行動に対してどうこう言う事自体おかしいと言いました。
そこで次に、前述の自分の考えに基づいて、この物語を一言で表してもらいました。
例えば私は「現実からの逃避」でした。
Kさんは、最初言葉に詰まったので、一緒に流れをを追いながら、「現実への回帰」という言葉を引き出しました。
Sさんからは「自由」というワードが出てきました。
一つの物語から、三者三様の表現の仕方が生じたのです。
一方は世俗的、他方は非世俗的、そしてもう一方は超世俗(世界)的観点からみたもので、どれも正解だと思います。
今回の荘子の話を通じて、前回学んだ「多面的なものの見方」を実践することができたのではないでしょうか。
その重要性を身をもって体験してもらえたら、このクラスは成功でしょう。
最後に、気づいたことを数点述べて、荘子の話を終えました。
残りの時間は「孔子 粥にありつく」についての文法的、あるいは語彙的な質問を受け付け、みんなで考えてみました。
そうこうするうちに時間が来たので、今日はこれで終わりました。
次回は、短いですが孔子の話をメインに行いたいと思います。
三者三様(その中に先生も含まれる!)の意見が出て、それぞれが自分の考えを発表しながらも、「おや、まてよ、そういう考えも
あるかな?」という感じで、きっと他人の意見も心に(頭に?)残ったことと思います。よい学びの雰囲気ですね。このような感じで進めていただき、また個々に振り返る機会があってもよいかと思います。学期の終わり頃に、自分の一番お気に入りのエピソードを一つ選び、字数は度外視して文をつづる、という。そういう機会があれば、私もできあがった作品を楽しみにしたいと思いますが、それは今学期でもよいですし、ずっと先でもかまいません。