福西です。冬学期もよろしくお願いいたします。遅ればせながら、12月中の記事からアップいたします。
このクラスでは、論理パズルの他に、「計算から法則を見つける」ということを、もう一つの柱にしています。5年生は、特に分数との兼ね合いで、かけ算が重要となります。
かけ算というと、まっさきに「九九」が思い出され、それは当たり前となって久しいようにも思えますが、そこからはまだまだ新しい「数の素顔」が見えてきます。その中でも、このクラスでは、約一年間になりますが、二乗、階乗、素因数分解(素数)について、何度も何度も取り上げてきました。その切り口は時にブロック分けのパズルであったり、確率であったり、あみだくじであったり、その都度変えていますが、しかし結局は同じ計算をしていることに気づいてもらうことを主眼に置いています。またその中で、反復によって計算の習熟度を上げてもらうようなことをしています。
この日(12/5)は冬学期の初回でもあり、上のような、これまで勉強してきた内容のおさらいをしました。全部で10ページ。そのうちいくつかの問題を例に挙げます。
1 次の計算をせよ
1)1+2+3+4+5+6+7+8+9+10=
2)1+2+・・・99+100=
これには色々な計算の仕方がありますが、たとえば項の左右を順番に合わせて11ないし101のセットを作る方法があります。そう言われると簡単そうに思えるかもしれませんが、そのセットが「何組できるか」ということまで考え抜くことが求められます。
2 次の計算をし、以下の問いに答えよ
A)1+3+5+7+9=
B)2+4+6+8+10=
1)A)とB)とどちらが大きいかを答えよ
2)1-2+3-4+5-6+7-8+9=
(できた人は、これが続くとどうなるかを考察せよ)
これは1でした問題の、奇数のみ、また偶数のみについての考察です。Bの各項は、Aのそれよりもすべて1ずつ大きいので、Bの方が大きいとすぐに結論付けられます。これ自身は当たり前ですが、2)がそれの応用になっていることを見抜けたら、大したものです。法則は、いつでも極端な例をとってはじめると、理解しやすくなります。簡単なものをおろそかにせず、それを積み上げる、という態度をここでもぜひ養ってください。
3 以下の計算から、奇数を足していくと、同じ数を2回かけた数字(二乗)になることが予想される。このことを証明せよ。
1=1
1+3=
1+3+5=
1+3+5+7=
1+3+5+7+9=
1+3+5+7+9+11=
この問題が今回のメインでした。生徒たちはそれぞれ独自に図をかいて、証明の仕方を考えてくれました。中にはユニークに、正方形を使わずに三角形で考えてくれている生徒もいました(K君)。
4 次の数の並びには規則性がある。987の次は何が来るか?
1,1,2,3,5,8,13,21,34,55,89,144,233,377,610,987
これはフィボナッチ数列と呼ばれる数の並びです。前の二つの和が次の数になっています。ちなみに一番最初にこの法則を見つけた生徒は、数の「差」に注目していました。(隣り合う項を引くと、その前の項になる。たとえば5-3=2など)。またさらに、これはいつか各自でも発見してほしいと思いますが、「両側の数のかけ算は、真ん中の数の二乗と1ちがいである」ことも有名な法則です。(たとえば13に注目すると、両側の数は8×21=168、真ん中の数は13×13=169で、1違い)
そのほかの問題では、「パスカルの三角形」を埋める問題を出しました。ここでは長くなるので割愛しますが、以下のような数のピラミッドを考えた時、各段の和には、ある法則性があります(ぜひ見つけてみてください)。これにはT君がいち早く気づき、「そうか、そういうことか!」と、いたく納得している様子がうかがえました。
1
1、1
1、2、1
1、3、3、1
1、4、6、4、1
・・・
(パスカルの三角形)