ルソーを深く読むクラス
福西です。下記のクラスをご紹介します。
 
日時:月曜 20:10~21:30
講師:谷田 利文
形式:オンライン
テキスト:『エミール(上中下)』ルソー著、今野一雄訳/岩波文庫
 
【講師のメッセージ】
このクラスでは、西洋近代思想の古典を出席者で一段落ずつ読み、内容について議論する形をとっています。内容の理解だけでなく、現代の問題と関連づけた自由な議論を行うことを心がけています。
これまで、マキアヴェッリ『君主論』『ディスコルシ』、ホッブズ『リヴァイアサン』、ロック『統治二輪』、ルソー『社会契約論』を読み終え、2024年度はルソー『エミール』を中巻の途中まで読みました。
2025年度は、引き続きルソーの『エミール』を読みます。
ルソーは人間の本性は、自己愛(l’amour de soi)と憐みの情にあるが、社会を形成することで堕落し、自己愛は自尊心(l’amour-propre)に変質してしまったとします。自己愛は自己保存のための本能ですが、自尊心は他者と比べて自己を優れた者と見せようとするものです。エミールは社会から隔離され、自己愛と憐れみの情をもつ自然人として成長した後、ようやく社会と関わって行くことになります。それにより、エミールは他者を敵(競争相手)として見るのではなく、憐れみの情を互いに感じ合う存在と捉えることができます。他のクラスで読んでいるサン=テグジュペリの思想との共通性が見えてきたように感じています。