岸本です。
今日は、寺田寅彦の『茶わんの湯』という随筆を読んでみました。
寺田寅彦という作家に、生徒さんにはなじみがなかったようですが、彼は物理学者でありながら、文学にも才能を発揮した文化人であり、彼が著した随筆は特によく知られています。
その一つである『茶わんの湯』を、今回は読んでみました。
内容としては、茶わんに入ったお湯から観察される現象について、科学的な解説をつける、というものです。
その現象を描写する巧みな文章力と、茶わんの湯にとどまらず地球規模まで話が広がる展開は、読む者をわくわくさせてくれます。
短い文章でもあったので、生徒さんはよどみなくすらすらと音読できていました。
また、感想文も書いてもらい、その中で身近な現象とよりスケールの大きい現象とが結びついていることに関心を持ってくれました。
さらに、寺田のように科学的にではなく、ほかの視点から観察することで、まったく別の『茶わんの湯』が書けるのではないかと提案もしてくれました。
この随筆を通して、生徒さんは「観察」という語の奥深さを感じ取ってくれたのではないでしょうか。
残りの時間が少なかったこともあり、記事の書き取りは行わず、読むだけにしました。
それぞれの記事に解説を加えた上で、記事を読んでもらいました。
生徒さんは、デンマークの研究チームが、徒歩や自転車による通学が集中力の向上につながることを明らかにした、との記事に注目してくれました。
その研究成果が正しいとすれば、山の学校へ来るために上らねばならないあの坂道と階段にも、このような効果が見込めるのではないかと思います。
実際に上り下りするのは大変ですが、それをポジティブにとらえなおさせてくれる楽しい記事でした。
秋学期は、今日の補講で終わりです。
生徒さんにお伝えしたとおり、このクラスは12/4(火)を休講とし、12/11(火)から冬学期が始まります。
また、冬学期もよろしくお願いします。