浅野です。
Sさんは微分が一通り終わり、積分を習い始めています。やはり置換積分が大きな山場です。本格的な置換積分の前段階として、
∫f(ax+b)dx=1/a F(ax+b)+C
という公式が登場します。直感的にはわかりやすいのですが、どうせなら置換積分として見てみましょう。
∫f(t)dx
となります。しかしtを含む関数をxで積分するのは嫌です。tで積分したいです。そこでこの式全体をtで微分してみましょう。出てきた式をtで積分すれば求めたいものになりますから。いきなりtで微分するのは困難なので、合成関数の微分を使ってまずxで微分し、xをtで微分したものをかけます。
d ∫f(t)dx/dt=d ∫f(t)dx/dx・dx/dt
=f(ax+b)・(1/a)
[x=(t-b)/aより、dx/dt=1/a]
求めたいものはこれをtで積分したものなので
∫f(t)・(1/a) dt
=(1/a)・F(t)+C
=(1/a)・F(ax+b)+C
無事に公式にたどり着きました。
Uさんは順調に復習が進んでいるようです。冒頭の計算練習も今回で12回目です。関数の微分は細かい計算が多いので練習する甲斐があります。いくつか計算間違いがあったので、その部分をよく確認しておいてください。
今習っているところでは、例えば楕円の式の両辺をxで微分するという発想がわかりづらいということでした。結論を言うと合成関数の微分です。ある式をxで微分するときにはxとは何の関わりもない文字は定数とみなして微分します。ただし、xの関数となっているような文字は、合成関数の微分のuのようなものですから、その文字自身で微分してから、その文字をxで微分したものをかけます。この記事だけを読むとわかりづらいですが、実際の例に即して説明すると理解してもらえました。