芸術は長く人生は短し:ラテン語の格言

山下です。
「ラテン語の夕べ」では毎回ラテン語の格言をいくつか紹介しています。

有名な言葉の一つに、Ars longa, vita brevis.というのがあり、日本語訳はタイトルに示したとおり、「芸術は長く人生は短し」です。

この言葉は亡くなった坂本龍一さんの座右の銘だったそうです。

アルスは英語のアートに相当します。そのアートを日本語の芸術に翻訳すると、上のような日本語の意味になります。

もともとはギリシャの医聖ヒポクラテスの言葉で、セネカがそれを上のラテン語に直しました。

ヒポクラテスは医術について述べています。アルスのもとにあたるギリシャ語のテクネーは医術のことです。

アルスを医術と訳してもよいですが、広い意味で技、技術を意味します。

もとは、「医術の習得には時間がかかる。人生はあまりに短い」という嘆きの言葉でした。

セネカはこんな立派な人も人生は短いと嘆いているがそれはおかしい、と批判的に紹介しています。

人生は生き方を学べば十分に長い、というのがセネカの主張でした。

この言葉の詳しい説明は私のHPの記事でごらんください。