福西です。
『リンゴ畑のマーティン・ピピン』(エリナー・ファージョン、石井桃子訳)を読んでいます。
第6話の受講生の要約です。
この章はとても短く、物語というよりは、マーティン・ピピンとリンゴ畑の乙女たちとの関わりをなぞったものです。最後まで恋に抵抗したジョスリンへの「あてつけ」となっています。
他の五人の乙女はハッピーエンドの話をしてもらったのに、自分だけはバッドエンドの話をされて(永遠に生きるゴルゴンだと揶揄されて)、ジョスリンはわっと泣き出します。
第6話 『とらわれの王女』
要約/Y.M.
王女は島の中の塔にとじこめられていた。王女は、父王の従者と恋に落ちたため、引きさかれたのだ。そして王は、塔を六人のゴルゴンに守らせた。
四月、この従者はむせび泣いていた。そこに旅の歌い手が通りかかる。その歌い手は、王女の髪の花を手に入れたいという従者の望みを叶えるため、海を越え、塔に辿り着く。彼がゴルゴンたちに奏で、歌いきかせると、彼女らは踊り、仕事を忘れる。そして彼は泣いている王女の髪の花を取り、従者の花を置いて帰る。
それから歌い手は、夏には指輪を持って行き、秋には王女を連れ戻してほしいと頼まれる。塔に着くとゴルゴンたちは彼を迎える。ゴルゴンたちは王女より不幸せだった。彼女らは愛そのものから引きさかれていたからだ。しかし毎晩、歌い手が恋物語を語ることで、一人ずつ愛らしさを取り戻し、美しいむすめになっていく。王女と従者を助けたい思いになっていく。六人目のゴルゴン以外は。
そのゴルゴンは、最も強かったが、恋を知らなかった。けっきょく、彼女の協力が無かったので、歌い手は王女を助けることができなかった。
王女は恋に破れて死んだ。従者も王も息をひきとり、国は滅びた。五人の優しいゴルゴンは乙女のまま死んだ。六人目のゴルゴンは永遠に生き続け、孤独に終わる。旅の歌い手はこの悲しい話を人々に聞かせた。
その後、歌い手がどうなったかは、わからない。
読了、おめでとうございます!
以前のMさんの要約はこちらです。