福西です。
ラテン語の辞書をひくとき。教科書の練習問題を解くとき。また、講読のとき。
略語(文法用語)が使えると便利です。
とくに、手書きでノートに写して、単語を解析するとき。
「男性・単数・主格」とか「現在・三人称・単数」とか書くのは、きっと大変だろうと思います。
そこでたとえば、
形容詞の「男性・単数・主格」→ adj.m.sg.nom.
動詞の「現在・三人称・単数」→ pr.3.sg.
と書けて、スペース節約、らくちんです。
また、ペルセウス・プロジェクトの辞書をひいたとき、略語で出てきますが、それの意味も分かります。
ということで、初学のうちに覚えた方が吉です。
そこで、略語表を共有します。
(以前、読書会の有志の方が作って下さいました)
よかったらどうぞ。
pdf版はこちら。
『名詞』(と形容詞)
男……男性……… m. / masc.
女……女性……… f. / fem.
中……中性……… n. / nt. / neut.単……単数……… sg. / sing.
複……複数……… pl. / plu. / plur.主……主格……… nom.
呼……呼格……… voc.
属……属格……… gen.
与……与格……… dat.
対……対格……… acc.
奪……奪格……… abl.
『動詞 』
現……現在(present)……… pr. / pres.
過……未完了過去(imperfect)… impf. / imperf.
未……未来(future)………… fut.
完……完了(perfect)………… pf. / perf.
過完…過去完了(pluperfect)………… plupf. / pluperf.
未完…未来完了(future perfect)………… fut. pf. / fut. perf.
現分…現在分詞………… pr.p.
過分…過去分詞………… p.p. / p.p.p.
未分…未来分詞………… f.p. / fut.p.
不……不定詞…………… inf.
完不…完了不定詞……… pf. inf.動名…動名詞(Gerund)…………Ger. / ger.
動形…動形容詞(Gerundive)…………Gerun. / gerundiv.
スピーヌム(目的分詞、Supinum)…………Supin. / supin.直…直説法…………… ind. / indic.
接…接続法…………… subj.
命…命令法…………… imv. / impv./ imper.能…能動相…………… act.
受動相…… pass.
形式所相………… dep.(受身の形しかない動詞のことです)
『形容詞』
形……形容詞…… adj.
比……比較級…… comp. / compar.
最上…最上級…… sup. / superl.
『他の品詞』
副……副詞……… adv.
代名詞…… pron.
前置詞…… prep.
接続詞…… conj.
『必要となる情報』
(1) 名詞は「性、数、格」の情報が大事です。
例: m.sg.nom.(男性・単数・主格)
(2) 動詞は「(相)、(法)、時制、数、人称」の情報が大事です。
例: pr.3.sg. (現在・三人称単数)
imv.pr.3sg.(命令・(現在)・三人称単数)
→命令の時制は省いても気にならないと思います。
dep.pr.3.pl.(デポーネントの現在・三人称複数)
(3) 受身の完了形は、主語の性に一致すること。
例: pass.perf.n.3.pl.(受動相・完了・中性・三人称複数)
(4) 完了分詞は p.p. と書いて、あとは名詞と同じに続けます。(現在分詞だと、p.p.のところを pr.p. とします)
例: p.p.m.sg.nom.(完了分詞・男性・単数・主格)テンス
動詞に未完了過去という見慣れないものがありますが、
これは「テンス」=時制(タイム)+相(アスペクト)で解釈すればいいです。つまり、動詞の時間のずれのニュアンスにはもともと「二段階ある」と思うわけです。
時制には…
過去(past)、現在(present)、未来(future)の三つ相には…
単純(simple)、進行(progressive, repeated)、完了(completed)の三つ。過去は「過去+単純」
未完了過去は「過去+進行」
過去完了は「過去+完了」
から成り立ってニュアンスを出していると考える。
以上、お役に立てれば幸いです。