来週11/23(水・祝)、「ラテン語の夕べ」があります!

福西です。

イベントの告知です。

日時:11月23日(水・祝)19:00〜20:30

「ラテン語の夕べ──ルクレーティウスのラテン語」

講師:山下太郎

概要:ルクレーティウスはローマを代表するエピクーロス派の詩人です。「無から有は生まれない」、「死は我々にとって何ものでもない」等、人口に膾炙した表現の数々。のちのヨーロッパ社会に与えた思想的影響ははかりしれません。『物の本質について』の各巻から一か所ずつ印象的な表現を取り出して紹介し、語彙と文法の説明をヒントに彼の思想と表現の一端にふれたいと思います。

エピクーロス派は、デモクリトスの原子(アトム)論を敷衍して、次のような主旨のことを述べます。

「万物は人間も含めて、原子で生成され、原子に還元される。

死ぬ前にはまだ死んでいない。だから死ぬ前に、死はない。

死んだ後には死を認識できない(原子に還っている)。だから死んだ後にも、死はない。

よって、死はわれらにとって何物でもない

と。

ところで、いま、京セラ美術館で「アンディ・ウォーホル・キョウト」展をしていますね。

そこで、次のような文章に出会いました。

“I don’t believe in that(death), because you’re not around to know that it’s happended.

I can’t say anything about it because I’m not prepared for it.”

ぼくは死ぬということを信じていない、起こった時にはいないからわからないからだ。

死ぬ準備なんかしていないから何も言えない。

これって、「死は何物でもない」からの「死は分からない」という本歌取り、ウォーホルの「ひねり」ではないでしょうか。

もしこのようなウォーホルの言葉が心に刺さるのだとしたら、その人には、古代の言葉もまた、刺さると思います。

「ラテン語の夕べ」。11月23日です。

ルクレーティウスと一緒に、お待ちしています。

お申し込みは、こちらから。

なお、前回のラテン語の夕べ「ウェルギリウスのラテン語」より。一部抜粋でお聞きいただけます。