しぜんD2(2022-11-04)

秋学期5回めの記録。

クラスが始まってすぐ、教室を出たところに自生しているミツバの葉っぱに、キアゲハの幼虫がいるのをKazuma君が発見しました。キアゲハの幼虫はこれまであまり見つける機会がなかったようなので、みんな嬉しそうに、Ikuko先生に見せに行っていました。「キアゲハはセリ科の植物をたべるから、ミツバを食べるんだよ」とKazuma君が教えてくれました。

最近日が暮れるのが早まってきたため、この日は早めに森へ入りました。前回クラスで相談して決めていたとおり、森の奥まで散策です。

尾根道をずっと辿りながら、北へ、そしてT字の分かれ道を西日が差す明るい西側へ進みました。場所によっては、すでに行き道から薄暗く、「ねぇ、何かこわいよう・・・」とつぶやく生徒さんもいましたが、「大丈夫、大丈夫」と声をかけながら、時々丸太の上を渡ったり、木の枝にぶら下がって遊んだりしながら進みました。

空や眼下の街がぱっとひらけて見える場所までいって、みんなでヤッホーを叫んだり、静かに佇んだりしたあとは、来た道を引き返しました。

日は沈んで随分薄暗くなっていましたが、西の空は茜色に染まっており、まだまだ道やみんなの姿がきちんと見えるので、つい手持ちのライトをすぐ点けたがる生徒さんにも、あえて使わないよう声をかけながら進みました。

「自分の感覚を信じて、よく見てごらん、まだまだしっかりと見えるよ」そう言い聞かせながら、進みます。

「あ、月だ」誰かが言いました。仄暗い空に、ひときわ明るく三日月が出ているのを、逆光で真っ暗に見える森の木々の間から、みんなで眺めました。時々木々の向こうに、遠くの街の灯りや、赤黒くなっていく西の空を見て「わぁ」と声をあげながら進んでいき、とうとう最後まで、ライトなしで山の学校まで帰ってきました。

道すがら、きれいなドングリや鳥の羽、塩タンとレモンに見える木の皮と葉っぱや(Genji君)、つるつるとした樹皮のかっこいい枝や(Itsuki君)、メカジキの頭に見える朽木など(Kazuma君)も拾うことができました。

最初は少し怖かったけど、みんなでいけば、段々暗闇にも慣れてきて、きちんと歩ききることができたことを自信にして欲しいです。

(担当 梁川)