福西です。
「古典語の夕べ」(動画コンテンツ)より、
第2回目「2022-05-05 ギリシャ語の夕べ──古典ギリシャ語の響き」(広川直幸)
の感想を書きました。ご参考になれば幸いです。
【0:00:00-0:25:00】
・前回のアルファベットの発音のおさらい。
・(新しい内容)アクセントについて。「アクセントも意味を担う」(アメ→雨/飴、みたいに)ので、大事なんだと知りました。
【0:25:00-0:35:00】
叙事詩の韻律の型(ヘクサメトロン)について。リズムの取り方のコツ
カエスーラについて。第3脚に来る軽いストップのこと。脚の途中に切れ目が来るのは、リズムを変えるため。それは次の2通り。1)―UU,―UU,―|UU
2)―UU,―UU,―U|Uでも、以下のカエスーラは無いこと。
× ―UU,―UU,―UU|これを『イーリアス』の1行目に当てはめてみることを、耳で聞いて、板書で見て、はじめて理解できました。教科書に書いてあることでも、頭になかなか入らなかったので、ありがたかったです。
【0:35:00-1:10:00】
『イーリアス』1行~129行目までを音読しながら、韻律の指南。「分捕り品が名誉に直結する」(分捕り品を失うことは名誉を失うこと→だからアキッレウスはアガメムノンに怒っている)こと。「嘆願者を無下に扱うことはあってはならない」(嘆願者の守り神からの罰が当たる点を、アガメムノーンが犯している)こと。など、『イーリアス』のツボとなる解説も交えながら。作品理解にもつながり、有意義でした。音読と意味とが、縦糸と横糸のように折り重なりながら、「詩なんだなあ」と実感しました。
【1:10:00-1:30:00】
ヘクサメトロンを読むための約束事(ギリシャ語をある程度勉強した人向け)これに注意すると「(普通に書かれている)ヘクサメトロンは全部読める」という事項。学ぶ指標となりました。
「古典ギリシャ語の響き」という題の今回。特に、『イーリアス』冒頭120余行の朗読は、音読をして学びたい人にとっての、「生きた音の教科書」になると思います。
(福西)