入角です。今学期から『怪人二十面相』を読み進めております。生徒さんたちは、さっそく乱歩の世界に魅了されたらしく、複数の生徒さんが、「少年探偵団シリーズ」の、ほかの巻を借り出していました。このシリーズはそれぞれ話が独立しているので、順番に読まなくてもあまり差し支えがないのです。ちなみに、私がとくに好きなのは『悪魔人形』です。
先日の授業では、二十面相に壮太郎氏の宝物が盗み出されてしまいました！ そして、逃げ出した二十面相は、広い庭に出て、忽然と姿を消したのです。なお、この盗み出す手口ですが、同作者の『黒蜥蜴』にも非常に似たシーンがあります。『黒蜥蜴』は、乱歩作品のさまざまなシーンを散りばめたような名作で、大人の方にもおすすめです。
二十面相は、壮太郎氏に事前に予告状を送りつけていました。この大胆不敵さが二十面相なのです。二十面相は敢えて困難な状況を作って盗みを働き、おのれの知恵を誇示するのです。
私はこの本を何度も読んだはずですが、授業で読んでいるといまだにワクワクしてしまいます。今後の授業も楽しみです。