福西です。
Mちゃんがこの春学期に書いてくれた作品です。
※お願い これは、将来生徒たちが、当時の自分が何を思っていたのかを思い出すために書き残したものです。ですので、ここにある作品は、決して他者のそれとは比較しないで下さい。(万が一、返却した原稿が本人の手元からなくなってしまっても大丈夫という「保存」が目的です)
『物たちのパーティー』 作/O.M.
目次
- だい所
- べんきょうづくえ
- おふろば
- げんかん
- かいせつ
1. だいどころ
ある日、おたまくんが言いました。
「だいたい。この家のお母さんは、あつかいがわるいよ~。前は、ゆかにおとしたりしたんだよ~。」
「ぼくだってそうさ。おかあさんが、ほうちょうさんをつよくおしすぎてきずがついてるんだ。」
まないたくんがいいました。
「そうだよね。」
だい所の物がいっせいにいいました。
「でも、古いほうがあいしょうがいいっていうぜ。」
「そうかもな~。」
2. べんきょうづくえ
ある日、えんぴつくんが言いました。
「ふ~。もうげんかいだ。しんがおれたり、へこんだりしてだめだ。」
「わたしだってそうよ。」
けしごむちゃんが言いました。
「けしすぎて、けしすぎて、頭がへこんじゃった~あ。頭がわるくなっちゃうわよ。」
「だよね~。だよね~。」
勉強づくえ全体の物が言いました。
「ふ~。でも、しょうがないよな。」
「そーだよね~。」
3. おふろば
ある日、せっけんちゃんが言いました。
「だいたい、ひどいわよ。よごれたまま、こすったりしてるからきれいな、体がだいなしよ。」
「ぼくなんか、ゴシゴシこすられて、きばんじゃったよ。」
タオルくんが言いました。
「でもこの家の人たちいい人だよね~。」
「ね~。」
4. げんかん
ある日、かわぐつくんがいいました。
「ぼくのピカピカな体が、よごれて、だいなしだ。」
「ぼくは、すなだらけでもうだめ。」
スニーカーくんがいいました。
「ふ~。でもしょうがない。」
5. かいせつ
このように、みなさんも、物の気もちを考えて使ってください。
(二○一二年十一月二日)
『山の中のおばあさん』 作/O.M.
1. はじめに
ついさいきんのことです。山の中に一人のおばあさんがすんでいました。名前はともばあさんといいました。ともばあさんの家は、はしごがついたとてもすてきな木の家でした。一階はそうこ、二階はともばあさんのへやでした。ともばあさんはいつもハンモックにのったり、たんけんしたりしていました。
2. あらしの日のお客さん
その日はあらしの日でした。これでは、たんけんができません。ともばあさんはごきげんななめでした。そこに、ずぶぬれになったきつねのおやこ、たぬき、りすがとびこんできたのです。
「あらまー……ずぶぬれ。」
といいながらともばあさんは動物たちの体をふいてやりました。
「あっありがとう。」
りすがとてもちいさいこえでいいました。
「いいんだよ。」
といいながらともさんは動物たちにミルクと木のみをあげました。
「ほんとうに……ありがとうございます。」
きつねのお母さんがいいました。
3. あそぼうぼう
そ・れ・か・らというもの……五人はなかよくしました。四ひきの動物たちはおなかがすくとともさんの家に食べにきました。へいわに…ずっと…
(二○一二年四月二十日)
『ふしぎな川の花畑』 作/O.M.
ある夏の日のことです。かも川で、太ろうという男の子と、妹のあいという子がかめ石をわたっていました。二人はかめ石がわたれるようになったばかりなので、うきうきした気分でかめ石をわたっていました。
でも大へん、よそ身をしていた太ろうが足をすべらせて川にはまったしまいました。ぶくぶくぶくとしずんでいきます。太ろうは泳げないのです。それを見てびっくりしたあいが、太ろうの手をひっぱってぐいぐいと引っぱりました。でも、重すぎて自分も川にはまってしまいました。二人はぶくぶくとしずんでいきます。大へんです。
二人は川のおくまでしずんで目をあけました。すると、そこには見たこともない花畑が広がっていました。二人は同時に、
「わあ。きれい。」
とさけびました。
「けど、川の中に花畑はないはずだよ。」
とあいが言いました。でも太ろうが、
「そんなことは気にせずにたんけんしてみようよ。」
と言ったので、二人はたんけんを始めました。あたりを見回すと見たこともない花がたくさんさいていました。
「この花、なんだろう。」
「こっちの花もふしぎだな。」
二人はうきうきと川の中をたんけんしました。そして川を半分たんけんしたちょうどその時、一りんだけ、にじ色の花がさいていました。
「これ、とろうか。」
太ろうが言いました。
「かわいそうだからおいておこうよ。」
「そうだね。」
そして二人はたんけんをおえて、川の上に顔を出して息をすいました。そして、また川の中に、顔をつけました。でも、もうそこは、花畑ではなくなっていました。二人はつまらなくて川の外に出ました。
そして、首をかしげて、
「ゆめをみていたのかなあ。」
と言いました。そして、太ろうがポケットに手をつっこむと、そこにあのにじ色の花が入っていました。やっぱり花畑はあったのです。それをほかの人に、話しましたがだれもしんじてくれる人はいませんでした。
それから、二人は泳げるようになって楽しくくらしました。それと、またかも川に行ったら、川に顔をつけてみて下さい。花畑が見えるかもしれません。
(二○一二年四月十三日)
[既紹介の作品]