福西です。
『王への手紙』(トンケ・ドラフト、西村由美訳、岩波少年文庫)を読んでいます。
5章 2「隠者メナウレス」を読みました。賢者として名高いメナウレスと、ティウリの未来の親友ピアックが登場します。
ティウリはメナウレスに、エトヴィネムの死を報告し、手紙を運ぶ使命のことを伝えます。その秘密をティウリはこれまでずっと一人で背負ってきたわけですが、ここに至って、その負担が軽くなります。物語の構造的にも、ちょうど折り返し地点にあたります。ティウリは大山脈から見える東のダホナウト国を眺め、これまでの旅の軌跡を思い返します。
またティウリは、エトヴィネムの指輪をメナウレスに渡そうとします。しかしメナウレスはそれをウナーヴェン王へ届けるようにと言います。ティウリは指輪をしまい、勇気をもらいます。
メナウレスはピアックという少年を、西のウナーヴェン方面へ下山するための道案内につけてくれます。ピアックはティウリに対し、興味津々です。同い年に見られようとしますが、実際にはティウリより一つ年下です。ピアックは、山の下の世界に対する好奇心が旺盛です。と同時に、山での平穏な生活も愛しています。つまり、冒険と平和に対する葛藤を抱いています。そしてティウリとの出会いによって、憧れがどんどん膨らみ、やがてはティウリと旅をともにすることになります。
受講生の要約です。
S.K.君
2人は、無事メナウレスの小屋に着く。ティウリはメナウレスにエトヴィネム騎士について報告する。
山の道案内はメナウレスの助手であるピアックという少年に任される。
ティウリは山から東のダホナウト国を見て、さまざまな思いをめぐらせる。
Y.Y.君
ティウリとヤロは小屋を見つけ、フルートを吹くかっ色の少年と会う。そのままメナウレスの小屋まで着く。ティウリはメナウレスにエトヴィネムのこと、ヒロニムスとラフォックスのあいさつを伝える。かっ色の少年はピアックといい、メナウレスにかわり道案内をしてくれることになった。
H.F.さん
ティウリは、ヤロが絶ぺきに落ちた後からあきらかに態度が変わったことに気づいた。ティウリとヤロは、隠者の小屋につく。かっしょくの少年に会う。中に入るとティウリと隠者と二人だけになり、ティウリはこれまでの話をはじめてうちあける。エトヴィネム騎士が死んだことに隠者はあまりおどろかない。
かっしょくの少年ピアックが案内人になってくれる。山ではヤロに気をつけ、ティウリの前を歩かせることにした。