福西です。
『王への手紙』(トンケ・ドラフト、西村由美訳、岩波少年文庫)を読んでいます。
5章「大山脈で」に入りました。上巻の最後の章です。
1「旅の道づれ」を読みました。
ティウリは、大山脈を登り、賢者メナウレスの小屋を目指します。すると道中、ヤロという名の、中年の男が声をかけてきます。ご一緒してもいいですか、と。
ティウリは修道服で変装しています。それで、巡礼者に思われているのだと、ティウリは考えます。一人の方が好都合なのだけれど、断る理由がありません。ヤロは人なつこくしゃべり続け、大山脈の向こうのウナーヴェンにいる息子夫婦に会いに行くのだ、と語ります。
難所にさしかかった時、アクシデントが起こります。ティウリが前を歩いていた時、後ろで、ヤロが崖から落ちかけたのです。ティウリは岩棚に足をかけて、なんとか彼を助け出します。ですが、先に上がったヤロは、ティウリを引き上げようとはしません。ティウリは仕方なく、自力でよじ登ります。
ヤロは、
「おれの命を救ってくれた」
とつぶやきます。
どういう意味でしょうか。まるで、「このオレの命なぞ、救うに値しないのに」とでも言うかのようです。
ティウリはヤロの顔を盗み見ます。すると、そこにのぞいたのは、恐怖でも、驚きでも、感謝でもなく、激怒の視線でした。
ヤロはいったい何に腹を立てているのだろうかと、ティウリは考えます。
受講生たちの要約です。
Y.Y.君
ティウリは大山脈でヤロという男に出会う。名を聞かれるが、ブラウン修道院のマルテインという名をかりた。夜、二人は野宿し、朝になるとまた登りだす。ヤロがころげおち、断崖絶壁にはえていたえだにしがみつく。ティウリはヤロを助け出す。
H.F.さん
ティウリはまた歩きはじめた。ティウリは、あまりこわいとは思わなかった。少したってティウリはうしろからけはいを感じた。すると男がいっしょに旅をしようと言ってきた。名前はヤロ。ティウリは、その男をすきにはなれなかった。夜、ティウリとヤロはねた。が、ティウリは安心してはねむれなかった。次の日、高いがけを歩いていると、ヤロが下に落ちた。ティウリはヤロを自分の力だけで助けだした。助けてもらった後のヤロの反応は、うまく読み取れなかった。
S.K.君
ティウリは川沿いに小道を歩く。ティウリは鎖帷子の上にブラウン修道院の修道服を着る。
ティウリはがっしりした色黒の男に出会う。その男と一緒にメナウレスのところへ行くことになる。男はヤロと名乗り、ティウリはマルテインと名乗る。
二人は絶壁のそばを歩く。
ヤロがとつぜんつまずき、ティウリにしがみつく。ティウリはふんばり、ヤロは絶壁の木の枝につかまる。ティウリはヤロを救う。不安定な状態になったティウリをヤロは助けない。ティウリは自力で道に上がる。