福西です。
『王への手紙』(トンケ・ドラフト、西村由美訳、岩波少年文庫)を読んでいます。
4章2「夕焼けの宿」を読みました。
宿屋の主人と下男に、赤い騎兵について尋ねますが、彼らは「見ていない」と言います。
ところが、下男の様子が怪しいことに、ティウリとベンドゥーが気づきます。
一同が宿で休むと、ウナーヴェン国とエヴィラン国の関係について、エヴェインが話してくれます。
現ウナーヴェン国王には双子の息子がおり、長男は皇太子として、次男は辺境の太守として育てられます。しかし、次男は待遇を不服に思い、エヴィランに侵攻。領土を切り取って、自分の支配下に置きます。
これに怒った国王は、次男に領土返還を命じます。しかし次男は応じず、自らをエヴィラン国王と名乗ります。
言ってみれば、ウナーヴェン国とエヴィラン国の争いは、親子喧嘩。
ところが、最近になってエヴィラン国王の方が和解を申し出てきたのでした。それの真偽を調べるために、エヴィランに遣わされた騎士が、エトヴィネムなのでした。
と、ここまでエヴェインが語ったところで、宿の下男が盗み聞きしていることに気づきます。
ベンドゥーが下男をとらえ、尋問します。
もし下男が赤い騎兵の密偵であれば、今晩、襲撃があるかもしれないと思い、警戒します。
リストリディンとティウリが一緒に見張りに立ちます。二人は語らいます。この夜のことを、ティウリはいつまでも覚えていることになります。
受講生たちの要約です。
Y.Y.君
夕焼けの宿につくと、主人と下男レオルは、赤い騎兵たちを見ていないと言う。だが、ティウリはレオルをうたがう。エヴェインが、エヴェインとウナーヴェンの関係を話す。べンドゥーはレオルがぬすみ聞きしたことに気づく。レオルは赤い騎兵たちのことを知っており、すべてを話した。
H.F.さん
一行は宿についた。宿の主人の下男レオルは、あやしい行動をとる。ティウリたちがエヴェインに話をきいていると、ベンドゥーがしずかにとあいずし、差しじょうをぬいた。いきおい良くドアをあけると、レオルがころがりこんできた。きしたちがレオルに話をきき、赤い騎兵を見たことが分かった。そして、赤い騎兵たちがもどってきたら知らせるように伝えた。
S.K.君
一行は、夕焼けの宿に着く。赤い騎兵たちについて宿の主人、下男からは情報を得られない。下男レオルは言動が怪しく、たまにさぐるような目でティウリを見る。
ウナーヴェンについてエヴェインが語る。ウナーヴェン国王の下の息子が、数分遅く生まれただけで兄との地位の差が激しくなるのは公平ではないと主張し、エヴィラン国王と宣言したことについて。彼とウナーヴェン国王である父親との関係悪化について。レオルは、話の一部始終を立ち聞きしていた。ベンドゥーに気づかれたレオルは、赤い騎兵について話す。
リストリディンたちは、レオルを赤い騎兵たちの密偵だと疑う。